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蠢蝦螽蟷昆蟲記

sawadaidae.exblog.jp

麻薫る六月

 土曜日はアサカミキリを狙いに言わずと知れた某所へ.
本種は本来アサの害虫であり,戦前はアサ畑で普通に見られたらしいが,戦後の大麻取締法の施行よってアサの栽培が禁止されてから日本全国で激減した.現在では草原に生えるアザミ類に食性転換した個体群が局地的に残っているものの,その後の環境悪化で絶滅した産地も多い.
今回のメンバーはS藤さん,S田(外道),沢田,F澤,M尾,Y本,M屋.
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今回は女の子が一人参加したのでF澤も上機嫌である

 道中の林道は台風で飛ばされたのか虫が少なかったが,栗の花が満開だったため掬ってみる.トビイロ,アメイロ,ツヤケシハナ,トゲヒゲトラ,キイロトラ,エグリトラ,シラケトラ,ホタルなどの常連さんばかり.山頂へ急ぐことに.
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トビイロカミキリ Allotrarioninueus sphaes (Bates,1877)
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ラミーカミキリ Paraglenea fortunei (Saunders,1853)

2時間程登ると山頂へ到着.麻・・・・・ではなくアザミを探す.科も違う植物によく転換したものだ.オープンランドに生えているアザミは他の植物よりも株が大きく,ホストを見つけるのはかなり容易である.新芽の部分が齧られているので「これはいるな・・・」と思っていた時,
F澤の「いたぁぁぁぁぁ!」と言う声が.
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アサカミキリ Thyestilla gebleri (Faldermann,1835)

 この声を合図に全員が一心不乱にアザミを視姦する.色が色だけに遠くからでも発見は容易いが,少しの振動で下に落ちてしまう上,アザミの棘により落下した個体を探し出すのは困難である.初めて採集に来るというM屋も次々と見つけていたので安心した.採集眼は良いようだ.
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ヒマワリの種と形容すべきか・・・
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個人的に白っぽい個体の方が好きだ
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今回見つけた一番白い個体
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殆どのアザミが加害されていたのを見ると,相当数が生息していそうだ

 帰り道が少々疲れたが,楽しい採集であった.帰宅中,駅のホームで初採集のシラミバエが入った試験管を落として逃げられた以外は・・・
by wriggle00 | 2012-06-25 15:40 | Cerambycidae