蠢蝦螽蟷昆蟲記

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保津峡カミキリ探索Ⅳ

6月23日
 またいつもの時間にいつもの場所へ.
 今回は先週の雪辱を晴らすため,頭の中はオオムツボシ一色である.
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 とりあえず満開のクマノミズキで準備運動.気温が上がらないとタマムシは飛翔を開始しない為,10:30頃まではアオカミキリを討伐することに.大型のため肩慣らしには丁度良い虫だ.アオカミキリは6頭程で,他はクラルアや各種トラカミキリ,キイロクチキムシなどが得られた.
 この日も気温は30℃前後と高く,タマムシには絶好のコンディション.林道を上りながら伐採木や立ち枯れをチェックし雑甲虫の捕獲数がどんどん増えていく.水性のエアゾール剤によるスプレーイングが非常に効果的で,各種ナガクチキムシ(この日捕れた良いものはコメツキナガクチキ位だが),ゴミムシダマシ,ホソカタムシ,キノコムシの類が面白いほど落ちてくる.
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 このように良さそうな立ち枯れ下部に布を敷いて,表面にエアゾール剤を散布する.根元付近まで丁寧に覆い,隙間をなくすのがポイント.水性のため虫が落下してくるまで少し時間がかかるが,薬剤が残留することがないことは確認済み.(スプレーイングを行った木を一週間後に確認したところ,再び虫が集まっていた)根元付近に重点的に噴霧すると,時折面白いものが得られるのでやってみる価値有り.
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エグリゴミムシ Eustra japonica Bates, 1892
好蟻性ではないがヒゲブトオサムシに近い甲虫.ルッキングでも得ることができるが,生息環境にスプレーをほんのちょっとかけるだけでわらわら出てくる.所謂「ちょっと良いムシ」だ.
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キンケツツヒメゾウムシ Phaenomerus foveipennis Morimoto, 1961
和名にヒメゾウムシと付くが実はクモゾウムシらしい.生態も実に面白く,カシナガと深い関連があり,成虫はカシナガの坑道に入っているので,スプレーイングを行うと非常に楽に採集できる.動きは非常に遅い.ホソミツギリゾウムシの歩き方に良く似ている.
 木を舐めるように見ていると十字に翅を広げ,大きな甲虫が飛来してきた.オオムツか?!長竿で素早くネットイン.しかし,現実は甘くなかった.
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オオフタモンウバタマコメツキ
Paracalais larvatus larvatus Candeze, 1874
 思わず舌打ち.まぁ,デザイン的には好きな虫なので一応捕獲.栃木などではまず見れなかった虫なのでつい捕ってしまう.
 もう完全に採集の流れが雑甲虫モード.いかんいかん.オオムツを探さなければ・・・.前々回ナガフトヒゲナガゾウムシを大量にシバいたコナラを目指す.あそこなら可能性があるはず.道中,巨大なカミキリが飛んでいたので全力疾走してネットインしたのがセンノキだったり,ヤノトラ狙いでエノキを見てみたがアシナガオニゾウムシばかり踏んだり蹴ったりだった.ヤノトラには早すぎるのは分かってはいるが,ついエノキは見てしまう
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センノキカミキリ Acalolepta luxuriosa luxuriosa Bates,1873
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アシナガオニゾウムシ Gasterocercus longipes Kono,1932
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 結局,立ち枯れに到着したのが12時過ぎ.昼飯を食べながら奴の飛来を待つ.立ち枯れには無数の寄生蜂やエグリ,キイロ,シラケ,ウスイロなどの広葉樹食いのトラカミキリが飛来してはいるが,中々オオムツボシはやってこない.仕方なく根元付近でまたスプレーイングをしようと準備を始める.・・・何やらカサカサ音がする.立ち枯れの近くを何かが歩行しているようだが何処にいるのか分からなかった.
 この場所での成果は先ほどのラインナップと殆ど変らなかったが,こちらの方が全体的に虫の数が多かった.枯れて間もない木だからなのだろう.とうとうオオムツボシを得ることは出来なかったが,全体の採集品の数としては満足していたので,帰り支度を開始.忘れ物がないか地面を見ていると,数時間前にカサカサしていた昆虫の正体が判明.どうやら車にぶつかったか,捕食者にやられたのであろうニワハンミョウであった.エリトラが半分取れてしまい,飛べない様子.このまま死んでいくのなら一応回収してやるか・・・と落ち葉に潜り込んだその個体を手に取る.
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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オオムツボシタマムシ Chrysobothris ohbayashii Y.Kurosawa, 1948
 こんな形で出会うことになるとは・・・本当に複雑な気持ちだった.というか手で持つと本当のこの虫の凄さが分かる.他のムツボシタマムシとは比べ物にならない重量感.顎,脚の力もかなり強くしっかりと手で押さえないと簡単に逃げられてしまう.
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ちなみにどの位大きいかというと・・・アオカミキリやオオフタモンウバタマと並べても引けを取らない大きさ.素晴らしい.
 完品が良かったのは当然だが,今回は素直に捕れたことを喜ぶことにする.完全に生息が確認できたので,後日追加を狙ってみようと思う.(同立ち枯れで2時間粘ったが追加ならず)
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今回の採集品(甲虫).甲虫以外はヤドリキバチやセイボウなど蜂類も多数得られたので非常に有意義な採集だった.とりあえず,今回の目的は達成かな・・・
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エリトラを複製して反転させる方法を誰か教えてください(笑)
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by wriggle00 | 2013-07-02 21:52 | Cerambycidae