蠢蝦螽蟷昆蟲記

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カテゴリ:Carabidae( 32 )

内房マイマイ

3月3日
 チーバくんのへそのあたりに掘りに行ってきた.利根川流域の個体とはまた違ったマイマイが得られた.よりボウソウマイマイに近いヒメマイマイと言った感じ.
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♂.ボウソウマイマイと言うよりはモンローマイマイに近い体系をした個体.この個体は海岸に近いポイントのもの.
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モンローモンローしてます.
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♀.角ばった前胸背の感じがボウソウマイマイっぽいが,まだ何かが足りない感じ.どの地域で完全なボウソウ型になるのか.


今回のタトウ.千葉のマイマイの微妙な違いをお楽しみください.
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ボンパが追いつかない.
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by wriggle00 | 2013-03-05 18:40 | Carabidae

掃除が捗りません

 昆研の自分のデスク回りもそろそろ片づけなければならなくなってきた.とりあえず印篭箱に入っている標本をドイツ箱に移す作業を始めた.
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今日はアオゴミ箱を整理.
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ホソキボシアオゴミムシ Chlaenius (Lissauchenius) rufifemoratus Macleay,1825. 
Callistinaeの中でも一番思い入れの深いのがこいつ.
 石垣島で一頭捕り逃がし,与那国島でススキを死ぬほどビーティングして手に入れた思いでの虫である.ビーティングネットに落ちてきた時は狂喜乱舞したのを思い出す.
 昼間はイネ科草本の葉と茎の隙間に潜んでおり,隙間に入り込むのに適した扁平な形態をしている.夜間は草本上から降りてきて別の草へ移動したり,地面で摂食活動を行っていた.動きが半端なく速く,地面に降りてしまった個体を素手で捕らえるのは困難.
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各地にごく普通に見られる地表性のキボシアオゴミムシ(神奈川県)と草上性のホソキボシアオゴミムシ(与那国島)の側面から見た画像を作ってみた.比べてみると相当薄っぺらい事が分かる.Hexagoniaほどではないが.
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by wriggle00 | 2013-03-01 16:41 | Carabidae

空っ風の河川敷

※今回はカメラを忘れたので生態写真はありません.
2月23日
免許更新の為帰省.
 宇都宮駅に向かう途中の小山駅は近くに思川が流れている.ただ帰るのも面白くないので,途中下車.河川敷は空っ風が吹き荒れ,乾燥した土が舞い上がっていた.(空っ風とは群馬や栃木の平野部に吹きつける尋常じゃない強さの風の事です.)粉塵が目に入りとてもオサ掘りどころではないので,少しでも湿った場所を求めて河川敷を歩き回る.
やっと良さげな倒木を発見.12頭ほどのヒメマイマイが出てきたので.採集終了.関東在住の方以外は判らないかもしれませんが,空っ風は本当に恐ろしい風なのです.

2月24日
免許更新日
 鹿沼の免許センターまで赴く.家から遠く非常にめんどうなのだが,幸い免許センター近くにはそこそこな河川敷を持つ思川と黒川が流れているので,クソ寒い中出掛けるのも億劫ではない.
朝8時に免許センターに着いたものの,講習が始まるのが9時30分なので暇すぎる.スマホのgoogleマップで採集ポイントを選定したりして時間をつぶした.

 10時30分になりやっと解放された.向かうのはもちろん河川敷!最初は黒川を攻める.河川敷はかなり乾燥しており,アオゴミの類も皆無であったが,根返りから奇跡的にマイマイを得ることができた.得られたマイマイは触角が短い気がしたので,手鍬が直撃したのだと思い込んでいたのだが・・・
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何かがおかしい黒川のマイマイカブリ.前日に採集した個体と比べてみた.
左: 思川(小山市)♀, 右: 黒川(壬生町)♀ 比べてみると触角の第4節以降が縮んでいた(微毛が生えている節).頭部も若干太く良個体.
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左: 黒川(壬生町)♀, 右:思川(小山市)♀ こういう些細な発見もマイマイ収集の魅力である.
黒川の個体は機会があれば追加しに行こうと思う.

 続いて,思川の中流部に移動.このポイントは開発が進んでおり今回で最後のマイマイになるかもしれないので,絶対に抑えたかった.しかし,河川林は殆ど伐採されておりすでに満身創痍状態.藪こぎしてどうにか大きい倒木を見つけ,1頭の♀とアキタクロナガを採集.
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アキタクロナガオサムシ
Carabus porrecticollis porrecticollis Bates, 1883.
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稀に出るレアカラー.エリトラまで水色.
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通常色と比べると若干綺麗.
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トウホククロナガオサムシ
Carabus (Leptocarabus) arboreus parexilis Nakane, 1961.
ポイントが潰れるので,普段捕らないクロナガさんも捕っておいた.

2月25日
 今回は一日フルで採集出来る日が無いので辛い.この日は午前中,会社に提出する健康診断書を貰いに病院へ行き.午後から鬼怒川(真岡市)に行ってきた.
以前訪れた際,大量の野バラによって進軍できず採集を断念した場所なので,今回も「捕れなくてもまあ別のところに行けばいいや」程度の気持ちで車を走らせた.
・・・しかし,ポイントに着くと唖然とした.河川敷全てが焼け野原になっている!その光景は野焼き後の渡良瀬遊水地さながらであった.
 湿地だった所に入ると進む度に灰が舞い上がる.風が無い日で本当によかった.河川敷にあった倒木は殆どが燃え尽きていたが,湿り気の残った朽木を退かすだけで大量のアオゴミムシが湧き出てくる.まさに渡良瀬と同じ状態!しかし,渡良瀬ほど湿気が無く,隠れる場所も少ないのか熱死したゴミムシが多数落ちていた.オオヨツボシゴミムシの残骸も13頭発見.標本に出来るような状態でないのが残念だったが,石の下でまだ生存していた2頭を得ることができた.
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この河川敷で得られた主なゴミムシ.(THEアオゴミムシ以外)
左端からオオマルガタゴミムシ,クロオオナガゴミムシ,オオヨツボシゴミムシ,カワチマルクビゴミムシ,ヨツボシゴミムシ,コガシラアオゴミムシ
 肝心のマイマイカブリだが,運良く燃え残った倒木の中に多数の個体が逃げ込んでいた.完品だけをソーティングして持ち帰ったが,全部で100頭以上は入っていたと思う.やはり野焼き後の採集は楽しい.
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ヒメマイマイカブリ Damaster blaptoides oxuroides Schaum, 1862.


真岡市の個体を栃木県各地の個体と比べてみた.
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左: 鬼怒川(塩谷町)♂, 右: 鬼怒川(真岡市)♂
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左: 那珂川(大田原市)♂, 右: 鬼怒川(真岡市)♂
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左: 小貝川(市貝町)♂, 右: 鬼怒川(真岡)♂
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by wriggle00 | 2013-02-27 19:47 | Carabidae

ゴミムシ写真

室内で撮り直した写真です.

ヒトツメアオゴミムシ
Chlaenius (Callistoides) deliciolus Bates, 1873.
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日本産アオゴミムシ随一の美麗種だと思う.
チビヒトツメアオも酢エチ〆のしょぼい標本しかないので捕りに行きたいなぁ・・・
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by wriggle00 | 2013-02-20 18:43 | Carabidae

淡道之穂之狭別島

2月18日
会社の研修の為,下阪する.
 研修終了後,大阪から六甲へ向かい神戸大学へ.神戸大では卒論発表直前でピリピリしていたが,楽しい時間を過ごせた.神戸大からW辺さん,I藤,F江と共にI藤宅へお邪魔し,軽く飲んだ.I藤が料理が上手いのは農大も神戸大も共通していた.

2月19日
 今回一番楽しみだった淡路島での採集日.生憎の天気であったが昼頃には回復しそうだったので決行.明石海峡大橋を渡り淡路島へと向かう.
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景色が良い所なのだろうが何も見えなかった.残念.
 淡路島に上陸すると,想像を絶する景色が.雪によって山々が白く見える.もっと暖かいイメージがあったので東北採集のトラウマが蘇る.
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照葉樹林が雪に覆われているのは中々見たことが無い風景だった.
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吹雪の中良さそうな崖を発見!関西初のオサ掘りである.
 崖の質も関東とは大分違うところが多い.砂礫の上に粗い黒土が覆っている感じだ.黒土の部分をそっと掘っていると,記念すべき関西の虫第一号が現れた.
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アワジヒメオサムシ Carabus japonicus awajiensis Imura, Dejima & Mizusawa, 1993.
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 この種は淡路島でも限られた地域にしか分布していないらしい.ヒメオサムシ種群自体が初採集なので非常に嬉しい.比較的容易に採集することができた.
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分布している山塊は限られているものの,個体数は多い模様.

 引き続き掘っていると大型のオサムシが現れた.オオオサムシである.ここのオオオサは青みが強い印象を受けたが,〆ると色が落ちてしまうらしい.
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オオオサムシ Carabus dehaanii dehaanii Chaudoir, 1848.
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 次に得られたのがヤコンオサムシ.関西虫屋にとっては「ああ,ヤコンか・・・」程度の虫なのだが,私は初採集.嬉しくないはずがない!こんな真っ黒で気品があるオサムシなのに!※一年後にはこの感情は消えているでしょう.
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ヤコンオサムシ Carabus yaconinus yaconinus Bates, 1873.

 オサムシ類が一通りお腹いっぱいになったところで今回のメインターゲットである,とあるゴミムシの採集に向かう.W辺さんとI藤は九州で崖をスウィーピングして大量に得ているらしく余裕の表情だ.到着したポイントは荒れた草地.こんなところに奴は本当にいるのだろうか.見た目は酷く乾燥している様な崖を掘るとプーゴミ(ホソクビゴミムシ)やニセコガシラアオ,ムナビロアトボシ等が犇めき合っている.こんな崖の条件が良いのだとか.
 乾いた崖を掘っていると若干ウエットな部分に隙間があり,ダンゴムシやムカデが詰まっている.この様な物件をいくつか覗いていると,お尻にかわいい模様のあるエリトラがちらっと見えた.
・・・やっと・・・逢えたね・・・
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ヒトツメアオゴミムシ Chlaenius deliciolus Bates, 1873.
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動きはけっこう素早い.油断していると隙間に潜りこんでしまう.
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 オオサカアオと同じような所で採集出来ると思っていたのだが全然違う.湿地の有無は本種には関係無い.オオヨツボシと同様に草地(オープンランド)を好む様だ.
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オオヨツボシゴミムシも同崖から多数得られた.

 新幹線の時間もあるので,日が暮れる前に駅へと送ってもらった.本当は2,3日採集したかったのだが予定があるため断念.来年からはこの様な素晴らしい所に行き放題だと考えるとわくわくが止まらない.
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by wriggle00 | 2013-02-20 18:33 | Carabidae

甲斐の奇跡

 卒論発表会終了記念.
I藤,F沢,Y本,K子を引き連れて甲斐の国へと向かう.目的はチュウブオオオサムシ.学生生活終了までにオサ掘りの極意を後輩に教えるのにも丁度良い採集地である.

 N崎IC近くのポイントはありきたりなので,今回は低い標高かつ良好な山林が残っているエリアまで向かうことに.採集地の風景としては,カラマツ林,アカマツ林に接した雑木林と言った感じ.
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戦闘開始.I藤,F沢,Y本が一斉に掘削開始.
チュウブオオオサは崖の深い所には入らない.表面近くに巨大な越冬窩を作ってそこに鎮座している.山梨県では今の時期崖が凍結している個所があるが,それが逆に好都合.「広く浅く」掘っていれば越冬窩は簡単に見つけることができる.
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チュウブオオオサムシ Carabus dehaanii punctatostriatus Bates, 1873.
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関東出身の人間は馴染みがないので何頭捕っても嬉しい.
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1時間程の成果.マルバネオサムシやシナノアオオサムシなども生息している.
 全員がオオオサを得たところで大きくポイントを変更.昔から手入れされているクヌギの雑木林だ.至る所に里山の象徴「山おやじ」が聳えていた.

 皆,コツを掴んだのか各自オオオサが居そうな崖を目指して散開.私はこの時点でオオオサはお腹いっぱいだったので,マイマイカブリを捕ろうと倒木を探す.枯れ沢に山おやじの立ち枯れが根元から倒れているのを発見.根の部分を足で押したところ倒木自体が沢に落下し一部が粉々に砕けた.相当腐食が進んだ材なのであろう.これはマイマイカブリには最高の材である.早速ピッケルで幹の一番太い所を一撃.簡単に二つに裂くことができた.

しかし,材の中には全く予想も出来ない様な虫が入っていたのだ.
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!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
えっ?えっ?えっ?えっ?オオクワ!!??
しかも超デカイ!!!!
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オオクワガタ Dorcus hopei binodulosus Waterhouse,1874.

 夢なら覚めないでくれ,と思う一方,私は無意識に大声をあげていたらしく,メンバーが駆け寄ってきた.当然のことながら,みなオサ掘りを行う気力が一気に失せたようだ.このオオクワガタは完全に新成虫.かなり大きな蛹室と巨大な食痕が確認できた.N崎市などでは放虫などが問題となっているが,今回訪れた場所はクワガタ屋が殆ど来ない所なので,完全純血の国産オオクワガタで間違いない.台場クヌギも多数有り,削られた跡等も全く無かった.こういうポイントはいつまでも残って欲しいと思う.

 気を取り直して(私以外は取り直せていないが)またポイントを移動.最後にオオオサをかなり追加して帰路についた.

今回のタトウ
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チュウブオオオサムシ,シナノアオオサムシ
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マルバネオサムシ
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ヒメマイマイカブリ(山地型で脚が長くスマート)
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サイズは70mmオーバー・・・・・神様ありがとう!!
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by wriggle00 | 2013-02-16 16:30 | Carabidae

伊豆半島黒化型姫蝸牛被採集記

2月3日
 F沢達にクロカタビロ掘りに誘われたが,社会人になる前に掘っておきたかったマイマイが多数残っているので,そちらを優先して行ってきた.
 テストの憂さ晴らしとして,今回は伊豆半島の通称「イズマイマイカブリ」と呼ばれている個体群を殲滅しに向かう.ボウソウマイマイ,モンローマイマイの様に関東地方の半島部分に生息するヒメマイマイカブリは黒化する傾向があり,体形もよりホンマイマイカブリに近づき,大型の個体が多いことが特徴だ.富士産の黒化したマイマイは採集済みであったが,伊豆の個体は持っていなかったので絶対に抑えたかったのだ.ポイントは適当に勘で選定.
 前日から3月下旬並みの気温で半袖一枚でも過ごせる位の陽気であった.ヒートテックを着てきたのは本当に間違いであった.
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到着!ここを超えればマイマイに会える!!
 厚木から二時間半ほどかかったのだが武者震いが止まらなかった.電車を降りた瞬間.ポイントに走る.伊豆には大規模な河川敷を有する河川は少ないが,規模が小さくてもマイマイカブリは居るので通常の河川での採集と大きな差は無い.まず最初に赤腐れした材が転がっていたので,ピッケルで一撃を喰らわす.眩い蛍光イエローの2対の紋が姿を現した.
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オオヨツボシゴミムシ Dischissus mirandus Bates, 1873.
幸先が良すぎる.一掘り目でオオヨツを出したのは初めてだった.
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ヨツボシテントウダマシ Ancylopus pictus asiaticus Strohecker, 1972.
 こいつらも一緒に集団越冬していた.ヨツボシ同士馬が合うのだろうか.

 オオヨツはもはや河川敷の定番だが.捕れると士気が非常に上がる虫だ.気を良くしてイズマイマイの討伐を再開.ヒラタクワガタの残骸が沢山詰まった倒木があったがクワガタなどどうでもいいので捨て置く.すぐ隣のエノキのフカフカな倒木を何気なく「ボフッ」とやると,漆黒のエリトラがエリチラしていた.
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キタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタ~!
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ヒメマイマイカブリ(イズマイマイ) Damaster blaptoides oxuroides Schaum, 1862.
 
 うっほぉ~黒い黒い!最高にかっこいい.脳汁が出てしまいそう.この倒木からはもう一頭得られた.引き続き木を探して削るが,先ほどの個体から追加を得られずかなり歩いてしまった.崖も倒木も少なくおまけに河川敷もほぼ無いため,一端昼食をとりながら休憩.
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富士山がかなり綺麗に見えた
 景色を見ながらの食事は非常に美味い.おまけに春の陽気で気持ちいい.まったり飯を食べるのもいいなあ・・・とふと対岸を見ると大規模な崖があるではないか!・・・この瞬間に昼食は終了.丁度近くに橋があったので助かった.
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これがその崖.マイマイの為に用意されたような崖ではないか!
 予想通り,一撃するとぽろっとアオオサが.2掘り目であっさりマイマイが出現.す・・・素晴らしい物件だ!
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デカイッ!この個体は48mmだった.50mmに近くなると迫力が違う.
 この崖は凄かった.30cm置きにマイマイが入っている状況だった.20exsを追加した所で採集終了とした.同崖からはヨツボシゴミムシ,オオヨツボシゴミムシ,ノグチアオゴミムシ,アオゴミムシが得られた.採集時間はトータルで3時間程だったがかなり満足のいく採集であった.
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このポイントの色彩は全てが黒色個体.想像以上の黒率.
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一部を並べてみた.大型甲虫の独特な香りがたまらん
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オオヨツボシも室内撮影.やっぱりかっこいい
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マイマイカブリは奇形個体が良く出る.イズマイマイの触角異常個体.左触角の先端が二又に分岐している.
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by wriggle00 | 2013-02-04 20:50 | Carabidae

ゴミムシ写真

美麗種2種をディフューザーを着けて撮り直し.
生態写真風に苔を敷いた.
※クリックで拡大されます.

オオサカアオゴミムシ
Chlaenius (Callistoides) pericallus Redtenbacher,1867.

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ツヤキベリアオゴミムシ
Chlaenius spoliatus motschulskyi Andrewes, 1927.
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美しすぎる.
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by wriggle00 | 2013-01-21 17:29 | Carabidae

池沼の激戦(前編)

1月19日
 テストと卒論提出日まで2週間を切った.アホな私もそろそろ危機感を覚える時期になった.普通の学生ならこんな時期にオサ掘りなんぞに出かける余裕はないはずなのだが,甘い誘惑を断ち切れなかった糞野郎が1名ほど存在する.
 さて,今回は昆研OB社会人虫屋の3名(S藤さん, Y口,M岡)で湿地帯のゴミムシをしばこうということになった.早朝に集合し,狙いのポイントに向かう.一応狙いはオオサカアオ.
私の中ではオオサカアオよりも欲しいゴミムシが頭にあったので,両種をいっぺんに倒せるようなポイントを選定した.
 まず1ヵ所目,沼を中心に水田が広がっているポイント.オオサカアオは水田または湿地に面した硬い粘土質の崖を好む.水田近くの崖はサラサラしていて不適切だった.沼の中へ入り,泥が堆積し,ひびが入ったような部分を掘るとミイデラゴミムシマンションが出現.ミイデラマンションはオオサカアオが一緒に入っている可能性があるため慎重に掘削を進めると,予想通りオオサカアオが得られた.同様の環境でコキベリアオゴミムシ,ヒメキベリアオゴミムシ,アトワアオゴミムシなども得られる.
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1ヵ所目の沼.
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オオサカアオゴミムシ Chlaenius pericallus
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崖からはエサキオサムシも得られた

 1ヵ所目では私だけしか捕れず,個体数もあまり多くなかったので次のポイントに移動した.そのポイントも1ヵ所目と同様に沼であるが,規模が大きくアシ原,草原,森林と,多くの環境要素が盛り込まれたようなポイントである.
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森林部ではオオゴミムシやルイスオオゴミムシ,アカオサ(モドキ)が得られた
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オオゴミムシ Lesticus magnus
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ルイスオオゴミムシ Trigonotoma lewisii
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アオオサムシ Carabus insulicola insulicola

 森林部を抜けると沼地が広がり水際の土や倒木などを崩す.大きなタブノキの倒木からはマイマイカブリ(ボウソウマイマイ)が得られた.
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ボウソウマイマイ Damaster blaptoides oxuroides 大型で黒々している.非常にかっこいい.尾端の発達は悪いものの,全体的にホンマイマイに近い体系をしている.関東のヒメマイマイと比べても大分大きい.
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渋い光沢.

 ボウソウマイマイが捕れた時点で日が傾き始めていたので,また移動することに.
後編へ続く.
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by wriggle00 | 2013-01-20 10:17 | Carabidae

マイマイ探索

1月3日
 元旦に引き続き,栃木でオサ掘り.
栃木の大河川でのミヤママイマイの分布を明らかにしたかったので,下流(真岡市付近)から上流(那須,日光)に向かって収集している.鬼怒川では氏家から塩谷周辺でミヤママイマイに変わっていくことが分かったので,今回は正月を利用し那珂川を中心に攻めることにした.

 茨城県守谷市では稀に緑色の色変わり個体が出現することが知られているが,那珂川周辺や私の出身である市貝町などでは緑色の個体の出現率が異様に高いと感じている.
私が思うに栃木南西部から茨木守谷の緑色個体は八溝山系要素なのではないかと考えているが,さらに上流の那須町や茨城県の那珂川流域の調査をしていないのでまだよく分からない.守谷市では鬼怒川と利根川の合流部で緑色が出るので不思議である.恐らく水戸周辺の那珂川でも色変わり個体が出るのでないだろうか.
とにかく,マイマイカブリはやめられない.集めれば集めるほど面白い虫である.

 今回の起点にしたのは旧馬頭町の周辺.昨年採集したポイントよりも20km程上流である.昨年のポイントでは緑色個体の出現率は20%くらいの割合だった.広大な湿地が広がっていて,かつ倒木が少ない場所はマイマイの大規模な集団越冬が見られる.越冬場所が限られているポイントの方が多くの個体を得やすいと思う.
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栗の木が数本あるがその奥は湿地とススキ原が広がっている.
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一見カラカラでしょぼい木だが,根元周辺は水分があるので,樹皮を剥がしてみると・・・
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この様にぎっしりと詰まっている.
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ミヤママイマイカブリ  Damaster blaptoides cyanostola Lewis, 1881
やはりこのポイントからは完全にミヤマになった.ヒメと比べると体系は細身で触角と足が長い.
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湿地の真ん中に忽然と崖が.これは・・・
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大きな集団越冬を当てた.合計で45頭が越冬していた.
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ここで採集できた個体数は84exsだった.うち14exsが綺麗な緑色だったので16%と,やはり高い割合であった.同崖からはルイスオオゴミムシ,スジアオゴミムシ,オオアトボシアオゴミムシ,ヨツボシゴミムシ,ミイデラゴミムシなども得られた.下部からはオオヨツボシゴミムシも出てきたが手鍬がヒットして粉々に.ゴミムシ的にも良い環境だった.

 続いて,那須町へ強行したが,標高を上げ過ぎて渓谷のような環境になってしまいマイマイ採集を断念.崖掘りでオレンジオサムシを得て帰路についた.
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オレンジオサムシ(キタアオオサムシ) Carabus insulicola kita
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たまにくすんだ色の個体も.


 今後は県北の福島県境と県西の群馬県境の個体も見てみたい.標高の高い山岳地帯は個体数が少ないので辛いが・・・まだまだ楽しめそう.
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by wriggle00 | 2013-01-08 16:54 | Carabidae