蠢蝦螽蟷昆蟲記

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心躍る一品

先日,農大に立ち寄った際に良いものを見た.
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藤沢がベトナムで捕ってきたというCleptidae(セイボウモドキ科)の一種.


この仲間自体が珍品なのは言うまでもないが,セイボウモドキの一部はハバチの繭に寄生するらしい(うろ覚え).この種もそうだとしたらベトナムではハバチ自体が少ない印象があったので本種は間違いなく藤沢の家宝になるだろう(搾取の憂き目に遭わなければの話だが).


いいなぁ・・・海外いきてぇ・・・


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# by wriggle00 | 2014-04-30 14:01 | Parasitoids

春の箱根散策

4月27日

K野さんに誘われ,春の箱根方面へ.暖かい日が続いていたためセダカも活動しているだろうと予測.材のルッキング&長竿でのカバーリングがメインの採集となった.

小田原駅から拾ってもらい,車で静岡の県境を目指す.

ポイントに着いた瞬間に驚いた.ブナ,アカガシ,ケヤキなどの巨木が立ち並び,太古から変わらない山の姿がそこにはあった.
まずは第一目標であるセダカ幼虫を得るため,ブナ・イヌシデの倒木裏の産卵痕を探す.
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ツヤヒサゴゴミムシダマシ Misolampidius okumurai Nakane,1968

ヒサゴゴミダマの中では一番普通に見られる種だが,関東地方ではある程度の標高がなければ生息していない.後翅が退化しているため,地方によって種が細分化している.

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ヨツボシゴミムシダマシ Basanus erotyloides Lewis,1891
キノコムシの仲間だと思われがちな種.個体数も多く,平地の雑木林でも普通に見ることができる.日中はカミキリなどの穿材性甲虫が利用した後の古い材に多く潜んでいるが,夜間には材上にわらわらと這い出してくる.
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オオヒラタハネカクシ Piestoneus lewisii Sharp, 1889
樹皮めくりにおいて定番のハネカクシ.ハネカクシにしては体長の個体差が激しい気がする.肉食性で,今回もクロバネキノコバエの幼虫を捕食している姿を観察できた.

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ムラサキトビムシ Hypogastrura communis Folsom, 1897
乾燥した材の地表接地面に大量にいた.



倒木の日の当たる部分にはコブ幼虫は少ない.ほとんどがヒゲナガゴマフらしき幼虫であった.コブ幼虫を探すには材の不朽菌がまわっており,かつ日陰(埋没部)の部分を削ると良い.
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イワワキセダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber shibatai Miyake,1980
前胸背板の凸形隆起部に網目模様があればセダカの幼虫だ.イヌシデの巨大な倒木の周りに落下・埋没していた材から多く得ることが出来た.


セダカ幼虫が満足できる量が捕れたところで,この時期には定番の あるカミキリを探索しにポイントを移動する.セダカ成虫は見つからなかった.春季にはどこにいるのだろうか・・・.
次なるポイントは沢沿いのカエデ・アカメガシワが豊富に生えている場所.
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スギドクガ Calliteara argentata Butler, 1881
触るといかにもかぶれてしまいそうな風貌だが,毒針毛を持たないため手にのせても問題ない.苔むしたヒノキの樹皮の上を歩いていた.

アカメガシワの洞・・・というよりは浅い,窪みのような部分を覗いてみたら,目当てである真紅のエリトラが見えた.しかも2匹が交尾中のようだ.これは貴重なシーンである.
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ヒラヤマコブハナカミキリ Enoploderes bicolor Ohbayashi,1941
この種の活動はすなわち,いよいよ今シーズンが開幕したことを意味する

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タバコの煙を入れるとたちまち明るい所に這い出てくる.出てからも交尾を中断することはなく,しばらくその場に静止していた.非常に写真撮影が楽な虫だ.
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♂は何故か持ち帰った直後に死んでしまったので,♀のみ白バック撮影.♂の交尾に全てのエネルギーを注ぎ込む生き方がうかがい知れる.
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頭部後方の張り出し方が堪らない・・・・



前半の成果であるセダカ幼虫だが,菌糸ビンに代わるとある画期的な飼料での飼育に挑戦する予定.


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# by wriggle00 | 2014-04-30 12:23 | Cerambycidae

東京に戻りました

1年間の大阪勤務が終わり,東京の事業所へ転勤致しました.

大阪での1年はとても有意義なものでした(虫的にはやり残したことが多いですが).しばらくは転勤等はないのでまた関東での採集活動がメインとなります.
今年は溜まっている知見の報文作成もやりつつフィールドに繰り出そうと思っております.


さて,引っ越し前に確保してきた材から,続々と羽化が始まりました.桜も完全に散り,虫のシーズンも開幕したようです.

〔材採集:京都府京都市〕
植物名:ソヨゴ Ilex pedunculosa

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クビアカモモブトホソカミキリ
Kurarua rhopalophoroides Hayashi, 1951

カエデの花などに訪花している個体が大量に捕れるので,材採する意味があまりない種類だが,昨年の材からは全く出なかったので材採リベンジ.
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狙うべき材はこんな感じの切断面.米粒とほぼ同じくらいの食痕なので分かりやすい.早速ホソアリガタバチ Sclerodermus harmandi Buysson, 1903 による進撃が開始されているが,クラルアはすでに成虫になっているため安心だ.
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材上を歩行する脱出直後の個体.
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かなりの飛びたがりや.エリトラの湾曲が少なく直線的.
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アオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis Snellen von Vollenhoven, 1864

このソヨゴ材には大きな食痕は認められなかったので本種が脱出した時は驚いた.この個体は黄緑色が強いが青~赤味がかる個体もいる.属名
buprestisはクロタマムシなどが所属する属だが,Nipponoが付くことで上品で気高い趣があることを意味している(嘘)
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腹面も美しい.
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こちらは赤味の強い個体.アオマダラというよりはキマダラという印象だが一気にランクダウンしそうな名前になるので文句は言いませんw
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この分だとまだまだ羽化しそうだ.大型の寄生蜂が出てくれないか期待している.
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コガネコバチの動きにそっくり.左右に体を揺するような動きは体表面の金属光沢と関係があるのだろうか.

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# by wriggle00 | 2014-04-23 18:15 | Cerambycidae