蠢蝦螽蟷昆蟲記

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侵略的暗黒卿

巷を騒がせているカミキリ界のダークサイドを観察してきた.

その名も「Aromia bungii」一昨年辺りからその存在が確認され,市や自治体などにより様々な対策がなされているが・・・実際に現地の状況を確認しようと,草加市まで赴く.

ネット上に公開されている発生箇所は青柳公園という葛西用水路付近の公園.何の変哲もない灌漑用水路だが,水路沿いに美しい桜並木が並ぶ.
本種はそのサクラをホストとして利用している.

公園付近に到着すると,根元から2m程の部分にかけてネットに覆われたサクラが多く目についた.どうやら本種の対策らしい.

発見されてから2年は経過しているし,既に根絶に近づいているはず・・・





・・・と思った矢先である.



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開始30秒の出来事だった.
何の苦もなく出会えてしまった.


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クロジャコウカミキリ(クビアカツヤカミキリ) Aromia bungii (Faldermann, 1835)
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とりあえずその大きさに驚いた.小型のミヤマカミキリ位はある.こんなものが全国に広まったら間違いなく脅威となる.探せばいるわいるわ,30分で3頭も追加してしまった.現在の発生対策では抑制できていないものと思われる.

私が見た限りでは,幼虫の脱糞口や羽化済みの脱出口をコーキングや木工用ボンドで穴埋めし,成虫が産卵場所として好む木の根元付近をネットで覆うというもの.

カミキリの幼虫の穿孔能力を舐めているとしか言えず,ネットについても成虫が難なく脱出できる隙間が開いているものさえ確認できた.
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サクラは無数にあるため仕方がないとは思うが...これでは分布拡大するのも時間の問題である.

ネットを巻く位なら農業用のマルチやサイレージ用のビニールなどで隙間がないよう密着させて幹に巻き,放置したほうが良さそうだが・・・(アオカミキリ類の成虫は顎の力が弱いため,厚いビニールを食い破ることは少ない)
ビニールならば安価であり,主幹に残効性のある薬剤を処理しておけば雨で薬剤が流れることもないだろう.あくまでネット内に脱出した個体を捕獲・殺虫するスタイルを貫きたいのか.

付近の公園を虱潰しに捜索したところ,青柳公園から約2kmの所に位置する「そうか公園」内の桜並木においても,本種の脱出口と思われるものとフラスが確認できた.確実に付近へ広まってしまっている.
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そうか公園内の本種による加害木と思われる木.
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捕まえると強烈な匂いを発する.オオアオカミキリやジャコウカミキリの匂いを何十倍にも増幅させた感じ.匂いのする白濁液を分泌するのが確認できた.Callidiopiniも似たような液を分泌するが,量が半端ではなかった.
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現在発生エリア内にしか本種を警告するポスターがなかったが,最寄り駅の路線沿いや各小中学校にも駆除を促すポスターを貼っておくべきだとは思う.子供の好奇心の力は凄まじいため,活かさない手はないのではない.ただし捕まえたものを放たないよう注意の徹底は必須となるが.


このカミキリについての議論は尽きることはない.


駆除兼採集イベントのような企画を行政・市民・博物館・NPO等が協議し,開催していくことも考えなくてはならない.カブトムシを捕っている場合ではないのだ.

一刻も早く殲滅できるよう.カミキリ屋にノルマを課すのも面白い.(1人50頭駆除しないと別の採集に行けません)
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by wriggle00 | 2015-06-15 15:18 | Cerambycidae

現れた幻

沖縄より帰還しました.

ポイント探索に手間取り目的のネキは♀1頭のみ.
来年も挑戦することは言うまでもない.

ネキ以外の昆虫もかなりの豊作.採集記はまた後程...
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ネットに入った瞬間の感覚は,得たものにしか分からない最高の快感.
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オキナワホソコバネカミキリ Necydalis tamakii Ikeda et Matsumura, 2014.
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とりあえず無事に目的を達成出来ました.ギガンティアの発生期までは採集はもういいかな...
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by wriggle00 | 2015-05-10 19:25 | Cerambycidae

懐かしき熱帯の地

長い期間更新できず申し訳ありませんでした.

更新不能期間にも勿論採集には行っておりましたので,徐々に報告していきます.

とりあえず最近の大きな遠征は3月14~19日で実施したマレーシア採集.多数の固有種,大自然を堪能することができた.

訪れたのはマレーシアの軽井沢的なキャメロン・ハイランド.年間を通じて過ごしやすい気温が続き,避暑地として多くの観光客が訪れる場所だ.

観光地ながら,標高が高い場所なので生息する昆虫類も独自のものが少なくない.今回はGunung Brinchangの雲霧林で固有種のカミキリ,ポイント19マイル(Tanah Rataから約30Km地点にある蝶で有名なポイント)周辺でのライトトラップをメインに調査を行った.
メインターゲットは雲霧林に生息する飛べないカミキリの一群「Obages属」のカミキリ達.日本のセダカコブヤハズに似た形態をしているのが特徴.ひたすらビーティングをして採集する様子もコブに似ている.

今回は現地での活動状況と虫をちょっとだけUP致します.

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 Gunung Brinchangにて.アカガネカミキリ族の固有カミキリObagesを狙っている.
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 Brinchang町の夜市.様々な果物や伝統的な料理を食べることができた.
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 宿でのソーティングの状況.ある意味一番楽しい時間かもしれない.
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 Point 19milesの入り口にて.この村の主産業は昆虫を売ること.現金収入は虫を売った金のみらしい.
 集落を抜けた先の沢沿いには多くの蝶が飛来しており,道を歩いていると村人が昆虫を売ってくることもしばしば.
 大抵クワガタ・カブト・コノハムシ類で私のあまり興味のない虫ばかりだが,一応注文には応じてくれる.
 虫=金と言う価値観が好ましくないので,利用することはないが.
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 アカエリトリバネアゲハ Trogonoptera brookiana Wallace,1855. 
 19miles周辺に多く生息している大型の蝶.圧倒的な存在感.
 ワシントン条約 附属書IIに記載されているにも拘らず,村人は平気で売ってくる.
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 Hyphus apicalis Pascoe, 1869. 
 Tanah Rataの外灯にて拾った.
 初見はウスバカミキリかイエカミキリの仲間かと思ったが,よく見るとXystrocerini(アオスジカミキリ族)であった.
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 巨大なウスバカミキリの1種 19milesに程近いOrang asli villageにて.噛まれたら間違いなく出血する.
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 モセリオウゴンオニクワガタ Allotopus moellenkampi moseri Moellenkamp, 1906.
 Orang asli villageにて.眩いばかりの光沢を持つが高多湿条件だと真っ黒になる.奇声を上げたのは言うまでもない.
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 マレーテナガコガネ Cheirotonus peracanus Kriesche, 1919.
 Tanah Rataの病院にて徘徊中,空気の読めない警備員が拾ってきた.自分で見つけたかったので本当に余計なことをしてくれた.まさかまだTanah Rata周辺に生息していたことが驚きである.最近Tanah Rata・Brinchangはかなり開発が進んできており,森林を伐採しショッピングモールを建設中の場所もあった.光源に寄せられて多くの虫が踏み潰されるであろう.

とりあえずミーハーなものはこんなところ.
カミキリやその他甲虫類は徐々に投稿していきますので,お楽しみに.

GWは沖縄本島にて「奴」を狙います.5月5日~10日を予定しております.
虫屋の皆様,現地でお会いしましたらよろしくお願いいたします.

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by wriggle00 | 2015-05-02 18:38 | Malaysia

オニホソコバネカミキリ

7月5日

美しい桑畑には精霊が宿る.

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オニホソコバネカミキリ
Necydalis (Necydalis) gigantea gigantea
Kano, 1933


以下,室内撮影.
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by wriggle00 | 2014-07-07 20:57 | Cerambycidae

春の箱根散策

4月27日

K野さんに誘われ,春の箱根方面へ.暖かい日が続いていたためセダカも活動しているだろうと予測.材のルッキング&長竿でのカバーリングがメインの採集となった.

小田原駅から拾ってもらい,車で静岡の県境を目指す.

ポイントに着いた瞬間に驚いた.ブナ,アカガシ,ケヤキなどの巨木が立ち並び,太古から変わらない山の姿がそこにはあった.
まずは第一目標であるセダカ幼虫を得るため,ブナ・イヌシデの倒木裏の産卵痕を探す.
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ツヤヒサゴゴミムシダマシ Misolampidius okumurai Nakane,1968

ヒサゴゴミダマの中では一番普通に見られる種だが,関東地方ではある程度の標高がなければ生息していない.後翅が退化しているため,地方によって種が細分化している.

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ヨツボシゴミムシダマシ Basanus erotyloides Lewis,1891
キノコムシの仲間だと思われがちな種.個体数も多く,平地の雑木林でも普通に見ることができる.日中はカミキリなどの穿材性甲虫が利用した後の古い材に多く潜んでいるが,夜間には材上にわらわらと這い出してくる.
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オオヒラタハネカクシ Piestoneus lewisii Sharp, 1889
樹皮めくりにおいて定番のハネカクシ.ハネカクシにしては体長の個体差が激しい気がする.肉食性で,今回もクロバネキノコバエの幼虫を捕食している姿を観察できた.

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ムラサキトビムシ Hypogastrura communis Folsom, 1897
乾燥した材の地表接地面に大量にいた.



倒木の日の当たる部分にはコブ幼虫は少ない.ほとんどがヒゲナガゴマフらしき幼虫であった.コブ幼虫を探すには材の不朽菌がまわっており,かつ日陰(埋没部)の部分を削ると良い.
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イワワキセダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber shibatai Miyake,1980
前胸背板の凸形隆起部に網目模様があればセダカの幼虫だ.イヌシデの巨大な倒木の周りに落下・埋没していた材から多く得ることが出来た.


セダカ幼虫が満足できる量が捕れたところで,この時期には定番の あるカミキリを探索しにポイントを移動する.セダカ成虫は見つからなかった.春季にはどこにいるのだろうか・・・.
次なるポイントは沢沿いのカエデ・アカメガシワが豊富に生えている場所.
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スギドクガ Calliteara argentata Butler, 1881
触るといかにもかぶれてしまいそうな風貌だが,毒針毛を持たないため手にのせても問題ない.苔むしたヒノキの樹皮の上を歩いていた.

アカメガシワの洞・・・というよりは浅い,窪みのような部分を覗いてみたら,目当てである真紅のエリトラが見えた.しかも2匹が交尾中のようだ.これは貴重なシーンである.
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ヒラヤマコブハナカミキリ Enoploderes bicolor Ohbayashi,1941
この種の活動はすなわち,いよいよ今シーズンが開幕したことを意味する

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タバコの煙を入れるとたちまち明るい所に這い出てくる.出てからも交尾を中断することはなく,しばらくその場に静止していた.非常に写真撮影が楽な虫だ.
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♂は何故か持ち帰った直後に死んでしまったので,♀のみ白バック撮影.♂の交尾に全てのエネルギーを注ぎ込む生き方がうかがい知れる.
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頭部後方の張り出し方が堪らない・・・・



前半の成果であるセダカ幼虫だが,菌糸ビンに代わるとある画期的な飼料での飼育に挑戦する予定.


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by wriggle00 | 2014-04-30 12:23 | Cerambycidae

東京に戻りました

1年間の大阪勤務が終わり,東京の事業所へ転勤致しました.

大阪での1年はとても有意義なものでした(虫的にはやり残したことが多いですが).しばらくは転勤等はないのでまた関東での採集活動がメインとなります.
今年は溜まっている知見の報文作成もやりつつフィールドに繰り出そうと思っております.


さて,引っ越し前に確保してきた材から,続々と羽化が始まりました.桜も完全に散り,虫のシーズンも開幕したようです.

〔材採集:京都府京都市〕
植物名:ソヨゴ Ilex pedunculosa

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クビアカモモブトホソカミキリ
Kurarua rhopalophoroides Hayashi, 1951

カエデの花などに訪花している個体が大量に捕れるので,材採する意味があまりない種類だが,昨年の材からは全く出なかったので材採リベンジ.
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狙うべき材はこんな感じの切断面.米粒とほぼ同じくらいの食痕なので分かりやすい.早速ホソアリガタバチ Sclerodermus harmandi Buysson, 1903 による進撃が開始されているが,クラルアはすでに成虫になっているため安心だ.
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材上を歩行する脱出直後の個体.
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かなりの飛びたがりや.エリトラの湾曲が少なく直線的.
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アオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis Snellen von Vollenhoven, 1864

このソヨゴ材には大きな食痕は認められなかったので本種が脱出した時は驚いた.この個体は黄緑色が強いが青~赤味がかる個体もいる.属名
buprestisはクロタマムシなどが所属する属だが,Nipponoが付くことで上品で気高い趣があることを意味している(嘘)
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腹面も美しい.
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こちらは赤味の強い個体.アオマダラというよりはキマダラという印象だが一気にランクダウンしそうな名前になるので文句は言いませんw
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この分だとまだまだ羽化しそうだ.大型の寄生蜂が出てくれないか期待している.
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コガネコバチの動きにそっくり.左右に体を揺するような動きは体表面の金属光沢と関係があるのだろうか.

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by wriggle00 | 2014-04-23 18:15 | Cerambycidae

淡路セダカ

10月14日
 コブを叩きたい衝動に駆られ,淡路島へ強行.
明石海峡大橋は渡るだけでかなり金がかかるのだが,セダカのためなので仕方ない.目指すのは島の中心にある言わずと知れた某山.一部を除いてかなり乾燥していて,依然訪れた際は本当にコブがいるのか疑ったほどだ.
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山の手前でミツバチの分蜂に遭遇.狙って見れるものではないので嬉しい.
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山を登っていく.通常のセダカ採集のような「これはいる!」という感覚が皆無.
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シケた林道に到着.このエリア以外はクソみたいに乾燥していて虫の影が一切なかった.よくもまあこんなところに生息しているものだ.林内に入るとアオキ,ソヨゴなどの常緑樹が多く薄暗い.アオキの枯葉にはツチイロフトヒゲカミキリが良く潜んでいる.
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ツチイロフトヒゲカミキリ Dolophrades terrenus Bates,1884
長年欲しかったカミキリではあるが,コツをつかめばそう難しい種類ではないことが判明.湿度が高い沢沿いか,風にさらされない程度に低木が密生した場所を見つけるのがポイント.
※今回の虫の写真は採集後に撮ったやらせです.

 ツチイロフトヒゲはそこそこいるが,やはりセダカは少ない.偶然にも1頭アオキに引っ掛かった枯葉で得ることができたが,かなり小さい個体であった.より良い条件の箇所を探して森の中を彷徨った結果,セダカの要塞ともいうべき物件が現れた.
 種類は判らないが多数の蔓植物が絡み合い,林冠から地上へまるで「すだれ」のように垂れており,地面すれすれのところに空間ができ,まさにここにビーティングネットを差し込んでくださいと言っているような物件であった.おまけに沢沿いで湿度MAX!
試に一叩きしてみると・・・・・・あんなに苦労して探していたセダカが一気に6頭も落ちてきた.ツチイロも同様に7頭も・・・
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セダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber gibber Bates,1873

6頭のうち3頭が大型の♂個体.これは嬉しい.気を良くして周辺をくまなく叩きまくったが,結局このポイントのみで追加は叶わなかった.

最終的にツチイロフトヒゲは25exs, セダカは7exs. 今年はあまりコブ叩きに行けなかったが最後に良い思いができてよかった.今後乾燥化が進めば淡路島の原名亜種はさらに捕りにくくなるのは間違いない.
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by wriggle00 | 2013-12-12 00:40 | Cerambycidae

高天原ノ剣

もう完全にオサ堀りシーズンですが,9月に行ってきた剣山の報告を致します.

9月21日
 四国第2の高峰,徳島県の最高峰である剣山に赴いた.この地域一帯には特産種,ツルギセダカコブヤハズが生息しており,一度は訪れてみたいと思っていた地である.今年は大阪に住んでいることもあり,関東よりアクセスが非常に良い.

 西日本のセダカは秋の「叩き」ではなく夏の「ルッキング」が主な採集法らしいが,今回は叩きで奴を狙ってみようと思う.大阪発徳島駅着の夜行バスに乗り約3時間,深夜の徳島駅に降り立つ.徳島駅について驚愕したのは,とにかく店が何もない.コンビニでさえ路地に隠れたところにあり夜食を買うのも一苦労した.
 レンタカーも24時間やっている店はなく,朝8時までを駅付近のネットカフェで過ごす.幸いMH4が発売して間もなかったので,夜はひたすらモンスターと格闘していた.

 翌朝,なかなか現れないレンタカー屋店員のせいで徳島駅を出発できたのは9時頃.駅前からは国道438号線を香川方面に走るだけという単純なルートで剣山まで行けてしまう.
 しかし・・・・2時間程走ったあたりで不吉な看板を見つけてしまう.


「台風18号の影響により崖が崩落中.国道438号線は剣山方面への通行全面禁止」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んん!!???


いや,まてまて剣山への道はこれ以外ないんですが・・・・・

 まぁ,現地に着いてみないと状況は判らない.これからサヌキやクロナンキにターゲット変更も気が引ける.剣までの道を行けるところまで行ってみることに.ヘアピンカーブをどれだけ超えてきただろう,もう剣まで5kmほどとなったところで悪魔の使いが道路上に仁王立ちしていた.中尾高原スキー場へと行く道と剣山の分岐にゲートができており,警備兵の配置付き.警備兵によると剣山へはどのルートからもたどり着けないらしく,完全に閉鎖されている模様

 ツルギセダカと闘う前にして私の気力と体力は瀕死状態であった.しかし,このまま引き上げるのは虫屋としてのプライドが許さないので,野営できるだけの装備を持ち,中尾高原スキー場から剣山付近までの山一帯を攻めることに.環境さえ同じならば剣山でなくても生息しているはずである.

 9月とはいえ標高1600m付近であるため肌寒く感じる.感覚的にはコブ叩きには丁度良い気温だと思う.登山開始地点の植生はスギが主体の雑木林であり,コブの気配など全く感じられない環境.ブナ帯までの長い道のりを思うと戦意は減る一方.
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真新しいクマの爪痕.北海道で使用したクマ鈴がリュックにそのまま入っていて良かった.

 スギ林を抜けて2時間半程,ようやく1本目のブナを発見する.登っていて思ったのがササなどの下草が全くなく,ひどく乾燥している点.成虫越冬する昆虫達には絶望的な環境・・・・乾燥化が酷いとは聞いていたがここまでとは思わなかった.足元に散らばっている糞の量からも,シカの個体数の多さが伺えるが,丹沢山系等のようにヤマビルがいないことが唯一の救いである.
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歩き続けること3時間半,ようやく尾根に出た.

 この辺りからタンナサワフタギやリョウブ,モミなどが見られるようになり,夏季に訪れたら楽しそうな環境に.ブナの本数もしだいに多くなってきたので,今回初めてビーティングネットを展開する.この時点で午後3時前後.タイムリミットは刻々と近づいていた.
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このように引っ掛かっている枯葉をひたすらつついていく.

 セダカ叩きにおいて太くて重い叩き棒は不向き.触角が欠落する原因になったり力任せに振るとセダカ自体が吹っ飛んでしまうこともあるので,私は軽くて長めの竹を使用している.モッサリと葉が大量に付いた枝などはその辺に落ちている太い枝で対処すれば良い.セダカがいた場合,軽くつつくだけで「ポトッ」とネット上に転がってくる.

 ブナの本数が足りないのか,本当に叩きには向かないのか一向に落ちてくる気配がない.倒木は無数にあるので足で崩してみると四国,九州特産のあの虫が出てきた.
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オニツノクロツヤムシ Cylindrocaulus patalis Lewis,1883

 初採集だったので最初は声を上げて感動したが,そこらじゅうの朽木にいくらでもいた.本州で例えるとエグリゴミムシダマシレベルか,それ以上の個体数.
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意外にも日中移動する個体も多いようだ.倒木上を歩行している個体も数頭発見.

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倒木は多数あり,クロツヤムシ採集にはこの上ないのだが目的が違う.ツルギだツルギ.
ここでなぜセダカがいないのか考えてみる.地面は岩や落石,砂利などが多くかなり乾燥が進んでいるからだ.ここまで私はササや低木に引っ掛かっている枯葉だけを探していて,周りの環境はブナの有無位しか考えていなかった.
そこで周辺を見てみると何故か局所的に下草が生えている「オアシス」のような環境があることに気付く.
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これがその「オアシス」どうやらかつて巨大なブナが生えていた場所なのだろう.光が良く入り,巨大な倒木の水分により下草の生育に適した場所なのだろう.

 早速オアシス内に分け入り美味しそうな枯葉を発見.ビーティングを差し込んだ瞬間,叩いてもいないのに何やら「ポトッ・・・」っと触角の長いムシが落下.
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!!!!!!!!!!
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ツルギセダカコブヤハズカミキリ
Parechthistatus gibber pseudogrossus Miyake,1980

 ついに仕留めた!!長かった・・・・長すぎた・・・てかヤバい.カッコよすぎる!!!!一時はどうなるかと思ったが,やはり居たか・・・・1頭目のテンションの上がり方は半端なかった.MHで言うといにしえの秘薬効果+鬼神薬G.環境さえ掴めれば怖いものはない.ひたすら「オアシス」を見つけ枯葉をつつく作業に戻る.
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ここにも・・・
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ここにも・・・・・・

 この周辺だけでも♂8exs,♀6exsの大フィーバーであったが,今まで素通りしていた箇所もあるので下山しながら採集していく.
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台風の影響か枯葉の数はかなり少なかったが,地面に接している枯葉で大半の個体を得たので乾燥にかなり弱いことが伺える.下山途中草本が生えていない地点でも少数得ることができたが,小型の個体ばかりであった.
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側面から見たときの造形美には言葉は必要ない.(ナンキ程ではないが)

 クマの恐怖と闘いながら採集を続け,17:30頃下山.

 最終成果:♂14exs, ♀8exs. 計22exsと,満足のいく成果となった.

 今回は剣山ラベルの採集は叶わなかったが,マイフィールドを開拓できたので結果的には良かったかもしれない(時間がかかりすぎるのであまり行きたいとは思わないが).次は剣山の個体を捕ってみたい.
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by wriggle00 | 2013-12-11 23:31 | Cerambycidae

オガサワラチャイロカミキリ

 採集には行っているのですが,仕事と採集の疲れと連日の暑さで自宅にいるときはゴロゴロしてしまい全く進みません・・・ちなみに今週末は氷ノ山に出撃します.
〔材採集:大隅半島〕
植物名:ホソバタブ
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オガサワラチャイロカミキリ Comusia testacea Gressitt, 1937
 南西諸島の島嶼や九州などの暖流の影響を受けている地域に分布するカミキリで,海流分散での分布拡大が示唆されている種である.アメイロカミキリ族 Obriini に分類されるが,一見するとCallidiopiniに酷似している.石垣島での初採集時はヒゲナガヒメカミキリだと完全に思い込んでいた.
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大きさは大体ベーツヤサと同じくらい.ベーツヤサ程ではないがかなり華奢である.
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本種はアメイロカミキリやメダカカミキリ類の静止ポーズに近い体勢で静止する.
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by wriggle00 | 2013-07-11 19:09 | Cerambycidae

保津峡カミキリ探索Ⅳ

6月23日
 またいつもの時間にいつもの場所へ.
 今回は先週の雪辱を晴らすため,頭の中はオオムツボシ一色である.
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 とりあえず満開のクマノミズキで準備運動.気温が上がらないとタマムシは飛翔を開始しない為,10:30頃まではアオカミキリを討伐することに.大型のため肩慣らしには丁度良い虫だ.アオカミキリは6頭程で,他はクラルアや各種トラカミキリ,キイロクチキムシなどが得られた.
 この日も気温は30℃前後と高く,タマムシには絶好のコンディション.林道を上りながら伐採木や立ち枯れをチェックし雑甲虫の捕獲数がどんどん増えていく.水性のエアゾール剤によるスプレーイングが非常に効果的で,各種ナガクチキムシ(この日捕れた良いものはコメツキナガクチキ位だが),ゴミムシダマシ,ホソカタムシ,キノコムシの類が面白いほど落ちてくる.
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 このように良さそうな立ち枯れ下部に布を敷いて,表面にエアゾール剤を散布する.根元付近まで丁寧に覆い,隙間をなくすのがポイント.水性のため虫が落下してくるまで少し時間がかかるが,薬剤が残留することがないことは確認済み.(スプレーイングを行った木を一週間後に確認したところ,再び虫が集まっていた)根元付近に重点的に噴霧すると,時折面白いものが得られるのでやってみる価値有り.
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エグリゴミムシ Eustra japonica Bates, 1892
好蟻性ではないがヒゲブトオサムシに近い甲虫.ルッキングでも得ることができるが,生息環境にスプレーをほんのちょっとかけるだけでわらわら出てくる.所謂「ちょっと良いムシ」だ.
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キンケツツヒメゾウムシ Phaenomerus foveipennis Morimoto, 1961
和名にヒメゾウムシと付くが実はクモゾウムシらしい.生態も実に面白く,カシナガと深い関連があり,成虫はカシナガの坑道に入っているので,スプレーイングを行うと非常に楽に採集できる.動きは非常に遅い.ホソミツギリゾウムシの歩き方に良く似ている.
 木を舐めるように見ていると十字に翅を広げ,大きな甲虫が飛来してきた.オオムツか?!長竿で素早くネットイン.しかし,現実は甘くなかった.
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オオフタモンウバタマコメツキ
Paracalais larvatus larvatus Candeze, 1874
 思わず舌打ち.まぁ,デザイン的には好きな虫なので一応捕獲.栃木などではまず見れなかった虫なのでつい捕ってしまう.
 もう完全に採集の流れが雑甲虫モード.いかんいかん.オオムツを探さなければ・・・.前々回ナガフトヒゲナガゾウムシを大量にシバいたコナラを目指す.あそこなら可能性があるはず.道中,巨大なカミキリが飛んでいたので全力疾走してネットインしたのがセンノキだったり,ヤノトラ狙いでエノキを見てみたがアシナガオニゾウムシばかり踏んだり蹴ったりだった.ヤノトラには早すぎるのは分かってはいるが,ついエノキは見てしまう
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センノキカミキリ Acalolepta luxuriosa luxuriosa Bates,1873
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アシナガオニゾウムシ Gasterocercus longipes Kono,1932
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 結局,立ち枯れに到着したのが12時過ぎ.昼飯を食べながら奴の飛来を待つ.立ち枯れには無数の寄生蜂やエグリ,キイロ,シラケ,ウスイロなどの広葉樹食いのトラカミキリが飛来してはいるが,中々オオムツボシはやってこない.仕方なく根元付近でまたスプレーイングをしようと準備を始める.・・・何やらカサカサ音がする.立ち枯れの近くを何かが歩行しているようだが何処にいるのか分からなかった.
 この場所での成果は先ほどのラインナップと殆ど変らなかったが,こちらの方が全体的に虫の数が多かった.枯れて間もない木だからなのだろう.とうとうオオムツボシを得ることは出来なかったが,全体の採集品の数としては満足していたので,帰り支度を開始.忘れ物がないか地面を見ていると,数時間前にカサカサしていた昆虫の正体が判明.どうやら車にぶつかったか,捕食者にやられたのであろうニワハンミョウであった.エリトラが半分取れてしまい,飛べない様子.このまま死んでいくのなら一応回収してやるか・・・と落ち葉に潜り込んだその個体を手に取る.
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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オオムツボシタマムシ Chrysobothris ohbayashii Y.Kurosawa, 1948
 こんな形で出会うことになるとは・・・本当に複雑な気持ちだった.というか手で持つと本当のこの虫の凄さが分かる.他のムツボシタマムシとは比べ物にならない重量感.顎,脚の力もかなり強くしっかりと手で押さえないと簡単に逃げられてしまう.
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ちなみにどの位大きいかというと・・・アオカミキリやオオフタモンウバタマと並べても引けを取らない大きさ.素晴らしい.
 完品が良かったのは当然だが,今回は素直に捕れたことを喜ぶことにする.完全に生息が確認できたので,後日追加を狙ってみようと思う.(同立ち枯れで2時間粘ったが追加ならず)
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今回の採集品(甲虫).甲虫以外はヤドリキバチやセイボウなど蜂類も多数得られたので非常に有意義な採集だった.とりあえず,今回の目的は達成かな・・・
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エリトラを複製して反転させる方法を誰か教えてください(笑)
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by wriggle00 | 2013-07-02 21:52 | Cerambycidae