蠢蝦螽蟷昆蟲記

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春の箱根散策

4月27日

K野さんに誘われ,春の箱根方面へ.暖かい日が続いていたためセダカも活動しているだろうと予測.材のルッキング&長竿でのカバーリングがメインの採集となった.

小田原駅から拾ってもらい,車で静岡の県境を目指す.

ポイントに着いた瞬間に驚いた.ブナ,アカガシ,ケヤキなどの巨木が立ち並び,太古から変わらない山の姿がそこにはあった.
まずは第一目標であるセダカ幼虫を得るため,ブナ・イヌシデの倒木裏の産卵痕を探す.
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ツヤヒサゴゴミムシダマシ Misolampidius okumurai Nakane,1968

ヒサゴゴミダマの中では一番普通に見られる種だが,関東地方ではある程度の標高がなければ生息していない.後翅が退化しているため,地方によって種が細分化している.

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ヨツボシゴミムシダマシ Basanus erotyloides Lewis,1891
キノコムシの仲間だと思われがちな種.個体数も多く,平地の雑木林でも普通に見ることができる.日中はカミキリなどの穿材性甲虫が利用した後の古い材に多く潜んでいるが,夜間には材上にわらわらと這い出してくる.
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オオヒラタハネカクシ Piestoneus lewisii Sharp, 1889
樹皮めくりにおいて定番のハネカクシ.ハネカクシにしては体長の個体差が激しい気がする.肉食性で,今回もクロバネキノコバエの幼虫を捕食している姿を観察できた.

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ムラサキトビムシ Hypogastrura communis Folsom, 1897
乾燥した材の地表接地面に大量にいた.



倒木の日の当たる部分にはコブ幼虫は少ない.ほとんどがヒゲナガゴマフらしき幼虫であった.コブ幼虫を探すには材の不朽菌がまわっており,かつ日陰(埋没部)の部分を削ると良い.
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イワワキセダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber shibatai Miyake,1980
前胸背板の凸形隆起部に網目模様があればセダカの幼虫だ.イヌシデの巨大な倒木の周りに落下・埋没していた材から多く得ることが出来た.


セダカ幼虫が満足できる量が捕れたところで,この時期には定番の あるカミキリを探索しにポイントを移動する.セダカ成虫は見つからなかった.春季にはどこにいるのだろうか・・・.
次なるポイントは沢沿いのカエデ・アカメガシワが豊富に生えている場所.
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スギドクガ Calliteara argentata Butler, 1881
触るといかにもかぶれてしまいそうな風貌だが,毒針毛を持たないため手にのせても問題ない.苔むしたヒノキの樹皮の上を歩いていた.

アカメガシワの洞・・・というよりは浅い,窪みのような部分を覗いてみたら,目当てである真紅のエリトラが見えた.しかも2匹が交尾中のようだ.これは貴重なシーンである.
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ヒラヤマコブハナカミキリ Enoploderes bicolor Ohbayashi,1941
この種の活動はすなわち,いよいよ今シーズンが開幕したことを意味する

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タバコの煙を入れるとたちまち明るい所に這い出てくる.出てからも交尾を中断することはなく,しばらくその場に静止していた.非常に写真撮影が楽な虫だ.
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♂は何故か持ち帰った直後に死んでしまったので,♀のみ白バック撮影.♂の交尾に全てのエネルギーを注ぎ込む生き方がうかがい知れる.
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頭部後方の張り出し方が堪らない・・・・



前半の成果であるセダカ幼虫だが,菌糸ビンに代わるとある画期的な飼料での飼育に挑戦する予定.


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by wriggle00 | 2014-04-30 12:23 | Cerambycidae

淡路セダカ

10月14日
 コブを叩きたい衝動に駆られ,淡路島へ強行.
明石海峡大橋は渡るだけでかなり金がかかるのだが,セダカのためなので仕方ない.目指すのは島の中心にある言わずと知れた某山.一部を除いてかなり乾燥していて,依然訪れた際は本当にコブがいるのか疑ったほどだ.
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山の手前でミツバチの分蜂に遭遇.狙って見れるものではないので嬉しい.
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山を登っていく.通常のセダカ採集のような「これはいる!」という感覚が皆無.
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シケた林道に到着.このエリア以外はクソみたいに乾燥していて虫の影が一切なかった.よくもまあこんなところに生息しているものだ.林内に入るとアオキ,ソヨゴなどの常緑樹が多く薄暗い.アオキの枯葉にはツチイロフトヒゲカミキリが良く潜んでいる.
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ツチイロフトヒゲカミキリ Dolophrades terrenus Bates,1884
長年欲しかったカミキリではあるが,コツをつかめばそう難しい種類ではないことが判明.湿度が高い沢沿いか,風にさらされない程度に低木が密生した場所を見つけるのがポイント.
※今回の虫の写真は採集後に撮ったやらせです.

 ツチイロフトヒゲはそこそこいるが,やはりセダカは少ない.偶然にも1頭アオキに引っ掛かった枯葉で得ることができたが,かなり小さい個体であった.より良い条件の箇所を探して森の中を彷徨った結果,セダカの要塞ともいうべき物件が現れた.
 種類は判らないが多数の蔓植物が絡み合い,林冠から地上へまるで「すだれ」のように垂れており,地面すれすれのところに空間ができ,まさにここにビーティングネットを差し込んでくださいと言っているような物件であった.おまけに沢沿いで湿度MAX!
試に一叩きしてみると・・・・・・あんなに苦労して探していたセダカが一気に6頭も落ちてきた.ツチイロも同様に7頭も・・・
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セダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber gibber Bates,1873

6頭のうち3頭が大型の♂個体.これは嬉しい.気を良くして周辺をくまなく叩きまくったが,結局このポイントのみで追加は叶わなかった.

最終的にツチイロフトヒゲは25exs, セダカは7exs. 今年はあまりコブ叩きに行けなかったが最後に良い思いができてよかった.今後乾燥化が進めば淡路島の原名亜種はさらに捕りにくくなるのは間違いない.
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by wriggle00 | 2013-12-12 00:40 | Cerambycidae

高天原ノ剣

もう完全にオサ堀りシーズンですが,9月に行ってきた剣山の報告を致します.

9月21日
 四国第2の高峰,徳島県の最高峰である剣山に赴いた.この地域一帯には特産種,ツルギセダカコブヤハズが生息しており,一度は訪れてみたいと思っていた地である.今年は大阪に住んでいることもあり,関東よりアクセスが非常に良い.

 西日本のセダカは秋の「叩き」ではなく夏の「ルッキング」が主な採集法らしいが,今回は叩きで奴を狙ってみようと思う.大阪発徳島駅着の夜行バスに乗り約3時間,深夜の徳島駅に降り立つ.徳島駅について驚愕したのは,とにかく店が何もない.コンビニでさえ路地に隠れたところにあり夜食を買うのも一苦労した.
 レンタカーも24時間やっている店はなく,朝8時までを駅付近のネットカフェで過ごす.幸いMH4が発売して間もなかったので,夜はひたすらモンスターと格闘していた.

 翌朝,なかなか現れないレンタカー屋店員のせいで徳島駅を出発できたのは9時頃.駅前からは国道438号線を香川方面に走るだけという単純なルートで剣山まで行けてしまう.
 しかし・・・・2時間程走ったあたりで不吉な看板を見つけてしまう.


「台風18号の影響により崖が崩落中.国道438号線は剣山方面への通行全面禁止」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んん!!???


いや,まてまて剣山への道はこれ以外ないんですが・・・・・

 まぁ,現地に着いてみないと状況は判らない.これからサヌキやクロナンキにターゲット変更も気が引ける.剣までの道を行けるところまで行ってみることに.ヘアピンカーブをどれだけ超えてきただろう,もう剣まで5kmほどとなったところで悪魔の使いが道路上に仁王立ちしていた.中尾高原スキー場へと行く道と剣山の分岐にゲートができており,警備兵の配置付き.警備兵によると剣山へはどのルートからもたどり着けないらしく,完全に閉鎖されている模様

 ツルギセダカと闘う前にして私の気力と体力は瀕死状態であった.しかし,このまま引き上げるのは虫屋としてのプライドが許さないので,野営できるだけの装備を持ち,中尾高原スキー場から剣山付近までの山一帯を攻めることに.環境さえ同じならば剣山でなくても生息しているはずである.

 9月とはいえ標高1600m付近であるため肌寒く感じる.感覚的にはコブ叩きには丁度良い気温だと思う.登山開始地点の植生はスギが主体の雑木林であり,コブの気配など全く感じられない環境.ブナ帯までの長い道のりを思うと戦意は減る一方.
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真新しいクマの爪痕.北海道で使用したクマ鈴がリュックにそのまま入っていて良かった.

 スギ林を抜けて2時間半程,ようやく1本目のブナを発見する.登っていて思ったのがササなどの下草が全くなく,ひどく乾燥している点.成虫越冬する昆虫達には絶望的な環境・・・・乾燥化が酷いとは聞いていたがここまでとは思わなかった.足元に散らばっている糞の量からも,シカの個体数の多さが伺えるが,丹沢山系等のようにヤマビルがいないことが唯一の救いである.
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歩き続けること3時間半,ようやく尾根に出た.

 この辺りからタンナサワフタギやリョウブ,モミなどが見られるようになり,夏季に訪れたら楽しそうな環境に.ブナの本数もしだいに多くなってきたので,今回初めてビーティングネットを展開する.この時点で午後3時前後.タイムリミットは刻々と近づいていた.
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このように引っ掛かっている枯葉をひたすらつついていく.

 セダカ叩きにおいて太くて重い叩き棒は不向き.触角が欠落する原因になったり力任せに振るとセダカ自体が吹っ飛んでしまうこともあるので,私は軽くて長めの竹を使用している.モッサリと葉が大量に付いた枝などはその辺に落ちている太い枝で対処すれば良い.セダカがいた場合,軽くつつくだけで「ポトッ」とネット上に転がってくる.

 ブナの本数が足りないのか,本当に叩きには向かないのか一向に落ちてくる気配がない.倒木は無数にあるので足で崩してみると四国,九州特産のあの虫が出てきた.
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オニツノクロツヤムシ Cylindrocaulus patalis Lewis,1883

 初採集だったので最初は声を上げて感動したが,そこらじゅうの朽木にいくらでもいた.本州で例えるとエグリゴミムシダマシレベルか,それ以上の個体数.
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意外にも日中移動する個体も多いようだ.倒木上を歩行している個体も数頭発見.

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倒木は多数あり,クロツヤムシ採集にはこの上ないのだが目的が違う.ツルギだツルギ.
ここでなぜセダカがいないのか考えてみる.地面は岩や落石,砂利などが多くかなり乾燥が進んでいるからだ.ここまで私はササや低木に引っ掛かっている枯葉だけを探していて,周りの環境はブナの有無位しか考えていなかった.
そこで周辺を見てみると何故か局所的に下草が生えている「オアシス」のような環境があることに気付く.
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これがその「オアシス」どうやらかつて巨大なブナが生えていた場所なのだろう.光が良く入り,巨大な倒木の水分により下草の生育に適した場所なのだろう.

 早速オアシス内に分け入り美味しそうな枯葉を発見.ビーティングを差し込んだ瞬間,叩いてもいないのに何やら「ポトッ・・・」っと触角の長いムシが落下.
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!!!!!!!!!!
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ツルギセダカコブヤハズカミキリ
Parechthistatus gibber pseudogrossus Miyake,1980

 ついに仕留めた!!長かった・・・・長すぎた・・・てかヤバい.カッコよすぎる!!!!一時はどうなるかと思ったが,やはり居たか・・・・1頭目のテンションの上がり方は半端なかった.MHで言うといにしえの秘薬効果+鬼神薬G.環境さえ掴めれば怖いものはない.ひたすら「オアシス」を見つけ枯葉をつつく作業に戻る.
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ここにも・・・
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ここにも・・・・・・

 この周辺だけでも♂8exs,♀6exsの大フィーバーであったが,今まで素通りしていた箇所もあるので下山しながら採集していく.
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台風の影響か枯葉の数はかなり少なかったが,地面に接している枯葉で大半の個体を得たので乾燥にかなり弱いことが伺える.下山途中草本が生えていない地点でも少数得ることができたが,小型の個体ばかりであった.
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側面から見たときの造形美には言葉は必要ない.(ナンキ程ではないが)

 クマの恐怖と闘いながら採集を続け,17:30頃下山.

 最終成果:♂14exs, ♀8exs. 計22exsと,満足のいく成果となった.

 今回は剣山ラベルの採集は叶わなかったが,マイフィールドを開拓できたので結果的には良かったかもしれない(時間がかかりすぎるのであまり行きたいとは思わないが).次は剣山の個体を捕ってみたい.
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by wriggle00 | 2013-12-11 23:31 | Cerambycidae

ロールアウト

午前中は三田さんと卒論の話をした.しばらく木材穿孔性幼虫の寄生蜂を勉強する.琉球の木本植物も調べよう.樹皮で樹種を特定するのはカミキリの材採集においては基本的なスキルだが,南西諸島のものとなると勝手が違う.午後は作業室で材箱をいじった.

9月にセットしたセダカコブヤハズの産卵木を確認したところ,樹皮下に幼虫を確認.急遽菌床ブロックを手配した.プリンカップに移して個別飼育に切り替える.
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材には産卵痕が多数
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紛れも無くコブ幼虫である
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材1本につき10個体程割り出せた

イワワキセダカはこれで十分な個体数が得られそうである.楽しみだ.
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by wriggle00 | 2011-11-29 17:43 | Laboratory

量産化計画

 先週の8日,土曜日はイワワキセダカを狙って出撃した.ポイントは新規開拓地.結果は私が1頭取れたのみで,安定した産地ではないようだ.得られた環境からしても大雨の影響で山の上から流れてきた個体の可能性が高いと思われる.通行できるはずの道路が崩れていたり,物置小屋が水流によって粉々になっていた.前日に飲みすぎたせいで写真を撮るのを忘れていた.

 9月26日に採集したセダカは冷蔵庫で休眠させ,産卵セットに移動させた.産卵セットとはいってもプラケースにナラ材と枯葉を入れた簡単な飼育セットだが,コブヤハズを飼う分には申し分はない.昆虫ゼリーをよく食べるので入れてあげた.ちなみに高蛋白.
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1ケースに1ペア×4を作成
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交尾を確認.♀の腹部はパンパンに膨らんでいた.

基本放置プレイで行こうと思うが,親虫の生き死にはチェックせねば.擦れないうちに♂は〆ようと思う.

家の水槽にはオレンジフィンキリーホーリー Erythrinus erythrinusを購入.混泳はせず単独で飼育する.まだ幼魚なので5cm程だが成魚では25cm位になる.今は赤虫を食べさせている.食欲は旺盛.いずれはメダカやアカヒレで飼育できる.
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成魚はこんな魚になる.
画像引用
http://forums.waterwolves.com/lofiversion/index.php/t129189.html

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by wriggle00 | 2011-10-12 18:26 | Diary

実りの秋

日曜日,今回はHVセダカ.

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by wriggle00 | 2011-09-26 13:47 | Insect collecting

秋コブ嫁に食わすな

 長い残暑が続くなか,今年もコブ叩きの時期が到来した.

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by wriggle00 | 2011-09-18 17:22 | Insect collecting