蠢蝦螽蟷昆蟲記

sawadaidae.exblog.jp

タグ:採集 ( 41 ) タグの人気記事

現れた幻

沖縄より帰還しました.

ポイント探索に手間取り目的のネキは♀1頭のみ.
来年も挑戦することは言うまでもない.

ネキ以外の昆虫もかなりの豊作.採集記はまた後程...
b0218371_1943294.jpg
ネットに入った瞬間の感覚は,得たものにしか分からない最高の快感.
b0218371_1973176.jpg
オキナワホソコバネカミキリ Necydalis tamakii Ikeda et Matsumura, 2014.
b0218371_198348.jpg
  
b0218371_1961245.jpg
b0218371_19103314.jpg
b0218371_19105035.jpg
b0218371_199481.jpg
b0218371_19151024.jpg
b0218371_19114163.jpg
とりあえず無事に目的を達成出来ました.ギガンティアの発生期までは採集はもういいかな...
[PR]
by wriggle00 | 2015-05-10 19:25 | Cerambycidae

懐かしき熱帯の地

長い期間更新できず申し訳ありませんでした.

更新不能期間にも勿論採集には行っておりましたので,徐々に報告していきます.

とりあえず最近の大きな遠征は3月14~19日で実施したマレーシア採集.多数の固有種,大自然を堪能することができた.

訪れたのはマレーシアの軽井沢的なキャメロン・ハイランド.年間を通じて過ごしやすい気温が続き,避暑地として多くの観光客が訪れる場所だ.

観光地ながら,標高が高い場所なので生息する昆虫類も独自のものが少なくない.今回はGunung Brinchangの雲霧林で固有種のカミキリ,ポイント19マイル(Tanah Rataから約30Km地点にある蝶で有名なポイント)周辺でのライトトラップをメインに調査を行った.
メインターゲットは雲霧林に生息する飛べないカミキリの一群「Obages属」のカミキリ達.日本のセダカコブヤハズに似た形態をしているのが特徴.ひたすらビーティングをして採集する様子もコブに似ている.

今回は現地での活動状況と虫をちょっとだけUP致します.

b0218371_2033464.jpg
 Gunung Brinchangにて.アカガネカミキリ族の固有カミキリObagesを狙っている.
b0218371_2031477.jpg
 Brinchang町の夜市.様々な果物や伝統的な料理を食べることができた.
b0218371_2035254.jpg
 宿でのソーティングの状況.ある意味一番楽しい時間かもしれない.
b0218371_178816.jpg
 Point 19milesの入り口にて.この村の主産業は昆虫を売ること.現金収入は虫を売った金のみらしい.
 集落を抜けた先の沢沿いには多くの蝶が飛来しており,道を歩いていると村人が昆虫を売ってくることもしばしば.
 大抵クワガタ・カブト・コノハムシ類で私のあまり興味のない虫ばかりだが,一応注文には応じてくれる.
 虫=金と言う価値観が好ましくないので,利用することはないが.
b0218371_1782079.jpg
 アカエリトリバネアゲハ Trogonoptera brookiana Wallace,1855. 
 19miles周辺に多く生息している大型の蝶.圧倒的な存在感.
 ワシントン条約 附属書IIに記載されているにも拘らず,村人は平気で売ってくる.
b0218371_17491298.jpg
 Hyphus apicalis Pascoe, 1869. 
 Tanah Rataの外灯にて拾った.
 初見はウスバカミキリかイエカミキリの仲間かと思ったが,よく見るとXystrocerini(アオスジカミキリ族)であった.
b0218371_1649969.jpg
 巨大なウスバカミキリの1種 19milesに程近いOrang asli villageにて.噛まれたら間違いなく出血する.
b0218371_16491880.jpg
 モセリオウゴンオニクワガタ Allotopus moellenkampi moseri Moellenkamp, 1906.
 Orang asli villageにて.眩いばかりの光沢を持つが高多湿条件だと真っ黒になる.奇声を上げたのは言うまでもない.
b0218371_16495436.jpg
 マレーテナガコガネ Cheirotonus peracanus Kriesche, 1919.
 Tanah Rataの病院にて徘徊中,空気の読めない警備員が拾ってきた.自分で見つけたかったので本当に余計なことをしてくれた.まさかまだTanah Rata周辺に生息していたことが驚きである.最近Tanah Rata・Brinchangはかなり開発が進んできており,森林を伐採しショッピングモールを建設中の場所もあった.光源に寄せられて多くの虫が踏み潰されるであろう.

とりあえずミーハーなものはこんなところ.
カミキリやその他甲虫類は徐々に投稿していきますので,お楽しみに.

GWは沖縄本島にて「奴」を狙います.5月5日~10日を予定しております.
虫屋の皆様,現地でお会いしましたらよろしくお願いいたします.

[PR]
by wriggle00 | 2015-05-02 18:38 | Malaysia

砂の化身

5月24日

仕事終わりに河川敷へ.
時刻は22時.翌日も仕事が控えているのだが,それでも捕りたい虫があった.

ゴミムシに興味がある者なら誰もが憧れる種だと思う.

過去にもこの虫に出会ったことはあるのだが,ダムの外灯に飛来した個体を得たのみだったので,活動期の個体をルッキングで得たいと思っていた.そんな時,後輩のM尾からこの種が大量に捕れる河川敷を発見したと連絡が入ったのだ.これは身を削ってでも行くしかない.

全国的にも絶滅が危ぶまれている種なので,ポイント情報の一切を非公開とする.

非常に綺麗な水質の河川に生息していると言われているが,このポイントにおける他の生物相構成は大河川の中流域といったところ.魚類ではカワムツ,アブラハヤ,トウヨシノボリ,ヤマトシマドジョウが見られ,カジカガエルが沢山いる感じ.私自身はヤマメやイワナなどがいる上流域の虫とばかり思っていたので意外であった.
b0218371_18401562.jpg
アオゴミムシ Chlaenius pallipes Gebler, 1823

ルッキングを開始すると,ゴミムシの個体数の多さに驚いた.アオゴミ,ヒメキベリ,ノグチアオが優占種であったが,クロヒゲアオやキベリアオ,ミズギワゴミムシの類も非常に多い.
b0218371_18402493.jpg
セアカヒラタゴミムシ  Dolichus halensis Schaller, 1783

b0218371_18404069.jpg
オオフタモンミズギワゴミムシ Bembidion bandotaro Morita, 1991
b0218371_18403224.jpg
ウスイロコミズギワゴミムシ Paratachys pallescens Bates, 1873
b0218371_19462651.jpg
キベリアオゴミムシ Chlaenius circumductus Morawitz, 1862

この日は気温が低く,ゴミムシの動きも活発とは言えない.目的の虫は熱帯に広く分布しているので,気温が高くないと活動できないのかもしれない.しかし,その直後・・・

他のゴミムシの3倍以上の速度で歩行する虫が草の影に隠れるのを目撃.ヘッドライトの出力を弱めてその箇所を照らすと・・・・
b0218371_18410642.jpg
b0218371_18411560.jpg
カワラゴミムシ Omophron aequalis Morawitz,1863

初めて生息環境で見た感想は,とにかく素早い.一旦走り出してしまうと暗闇の中では再発見が困難なほど.本種が砂上に出てきたと思われる坑道が多数確認できたことから,かなりの個体数が生息しているようだ.
b0218371_18412156.jpg
b0218371_19565960.jpg
個体によって斑紋は様々.♀個体の方が明るい色をしていることが多かった.
b0218371_18413689.jpg
その姿はまさに砂の化身.


トータルで2時間弱しかポイントに居れなかったが,満足できる個体数を確保できた.このポイントが開発されないことを心から願っている.

[PR]
by wriggle00 | 2014-05-26 20:06 | Carabidae

春の箱根散策

4月27日

K野さんに誘われ,春の箱根方面へ.暖かい日が続いていたためセダカも活動しているだろうと予測.材のルッキング&長竿でのカバーリングがメインの採集となった.

小田原駅から拾ってもらい,車で静岡の県境を目指す.

ポイントに着いた瞬間に驚いた.ブナ,アカガシ,ケヤキなどの巨木が立ち並び,太古から変わらない山の姿がそこにはあった.
まずは第一目標であるセダカ幼虫を得るため,ブナ・イヌシデの倒木裏の産卵痕を探す.
b0218371_08390708.jpg
ツヤヒサゴゴミムシダマシ Misolampidius okumurai Nakane,1968

ヒサゴゴミダマの中では一番普通に見られる種だが,関東地方ではある程度の標高がなければ生息していない.後翅が退化しているため,地方によって種が細分化している.

b0218371_08390755.jpg
ヨツボシゴミムシダマシ Basanus erotyloides Lewis,1891
キノコムシの仲間だと思われがちな種.個体数も多く,平地の雑木林でも普通に見ることができる.日中はカミキリなどの穿材性甲虫が利用した後の古い材に多く潜んでいるが,夜間には材上にわらわらと這い出してくる.
b0218371_08390786.jpg
オオヒラタハネカクシ Piestoneus lewisii Sharp, 1889
樹皮めくりにおいて定番のハネカクシ.ハネカクシにしては体長の個体差が激しい気がする.肉食性で,今回もクロバネキノコバエの幼虫を捕食している姿を観察できた.

b0218371_08390799.jpg
ムラサキトビムシ Hypogastrura communis Folsom, 1897
乾燥した材の地表接地面に大量にいた.



倒木の日の当たる部分にはコブ幼虫は少ない.ほとんどがヒゲナガゴマフらしき幼虫であった.コブ幼虫を探すには材の不朽菌がまわっており,かつ日陰(埋没部)の部分を削ると良い.
b0218371_08390797.jpg
イワワキセダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber shibatai Miyake,1980
前胸背板の凸形隆起部に網目模様があればセダカの幼虫だ.イヌシデの巨大な倒木の周りに落下・埋没していた材から多く得ることが出来た.


セダカ幼虫が満足できる量が捕れたところで,この時期には定番の あるカミキリを探索しにポイントを移動する.セダカ成虫は見つからなかった.春季にはどこにいるのだろうか・・・.
次なるポイントは沢沿いのカエデ・アカメガシワが豊富に生えている場所.
b0218371_08390705.jpg
スギドクガ Calliteara argentata Butler, 1881
触るといかにもかぶれてしまいそうな風貌だが,毒針毛を持たないため手にのせても問題ない.苔むしたヒノキの樹皮の上を歩いていた.

アカメガシワの洞・・・というよりは浅い,窪みのような部分を覗いてみたら,目当てである真紅のエリトラが見えた.しかも2匹が交尾中のようだ.これは貴重なシーンである.
b0218371_08390768.jpg

ヒラヤマコブハナカミキリ Enoploderes bicolor Ohbayashi,1941
この種の活動はすなわち,いよいよ今シーズンが開幕したことを意味する

b0218371_08390749.jpg
タバコの煙を入れるとたちまち明るい所に這い出てくる.出てからも交尾を中断することはなく,しばらくその場に静止していた.非常に写真撮影が楽な虫だ.
b0218371_08390631.jpg

♂は何故か持ち帰った直後に死んでしまったので,♀のみ白バック撮影.♂の交尾に全てのエネルギーを注ぎ込む生き方がうかがい知れる.
b0218371_08390622.jpg
頭部後方の張り出し方が堪らない・・・・



前半の成果であるセダカ幼虫だが,菌糸ビンに代わるとある画期的な飼料での飼育に挑戦する予定.


[PR]
by wriggle00 | 2014-04-30 12:23 | Cerambycidae

甲賀戦線 信楽の陣

3月15日
BANさんが新しい車を購入したということで,新車を泥まみれにするべくオサ掘りへ.
今回のフィールドは甲賀地方.特産種であるシガラキオサムシの討伐が真の目的だ.
関東に戻る前に抑えたかったムシだが,単独ではコスト的に厳しいのと,所詮はマヤサンだろうという考えからなかなか腰が上がらなかったので,またとない機会だった.
b0218371_21274543.jpg
シガラキのポイント選びは非常にシビアだということを聞いていたのだが,最初からType localityに行ってもつまらない.まずは適当に目星を付けた林道に入る.
土質は非常に良好.湿度も高く苔が多く生えた崖が多数ある.
b0218371_21273870.jpg
ヤマトオサムシ Carabus yamato Nakane, 1953
このポイントはヤマトばかり.朽木の樹皮下にアキタクロナガが多かったが,崖から出るのは全て本種だった.
b0218371_21273083.jpg
今回唯一のマイマイカブリ.私が掘り出したホンマイの中では間違いなく最小サイズ.
生体時でも30mm弱しかない(わかりやすく表現するとギガンと同じくらい).カタツムリが少なそうな雰囲気だったが,いくらなんでも小さすぎるので逆に嬉しい.
b0218371_21272532.jpg
一瞬ドキッとしたがこちらもヤマトオサムシ.


その後,早々と見切りをつけてポイントを変えつつ採集をするも,シガラキはかすりもしない.

仕方がないので新規開拓を諦めType locality周辺まで移動.
崖の品定め中に何組か同業者とすれ違ったが,皆ゴミムシ1匹捕れていない様子.やはり今年はマイマイ以外のオサムシが極端に少ない気がする.
b0218371_21271680.jpg
ケブカヒラタゴミムシ Rupa japonica Jedlicka, 1935
ここで唯一捕れたムシ.オサムシに目が眩んで無視してしまいそうだが,これでも近畿地方特産種.大阪府内では原名亜種の他に中国地方亜種も産するらしい.飛翔能力がないとのことだったので実際にエリトラを開いてみると後翅が完全に退化していた.形態が似通ったColpodes属の後翅を見たことはないが,そこで属を区別しているのだろうか.
崖から掘り出した訳ではなく,沢沿いの湿度が高い崖の落ち葉の下で複数個体が越冬していた.しかし,個体数を得るならピットホールが適していると思う.



日暮れ間近,最後に立ち寄った林道でようやくマヤサン系のオサムシが出たが,肝心の♂個体が1頭,♀6頭という結果・・・・
b0218371_21265801.jpg
♂個体.マヤサンにしか見えないが・・・
b0218371_21264931.jpg
同様に♀個体.
b0218371_21265853.jpg
こちらが今回のオサムシのゲニ.
マヤサンよりは細い感じがするが,若干短い気も.

分布域的にはシガラキのはずなのだが・・・


個体によっても多少の差はあると思うが判断するには微妙・・・もっと♂が捕れてりゃなぁ・・・・・・orz
b0218371_21264660.jpg
今回のわき役たち.


とりあえずシガラキオサムシ(仮)の討伐は成功ということで・・・(笑)

[PR]
by wriggle00 | 2014-03-29 21:13 | Carabidae

淡路マイマイ開拓

2月9日
4度に渡り淡路島へ行ったにも拘らず,マイマイカブリを拝めなかった.この失態を挽回するべく,5度目の淡路島へ単身で出撃.なんとしてでもマイマイを得るため,今回のターゲットはマイマイカブリのみ.(今までは何かの「副産物」で採集出来ればと思っていたのだが,その程度の覚悟では捕れない虫だと悟った.)

淡路島の山地は極度に乾燥が進んでいるため,山地における個体数はかなり少ないものと予測し,今回は池沼オンリーで掘ることにした.地図で入念にポイントを選定し,(交通費をケチって北淡のみに絞った)早朝4時に大阪を出発.7時には1か所目の沼に到着した.

1か所目ではマイマイが入りそうな木・崖は無数にあるものの,掘っても掘ってもゴミムシ1匹出てこない.
周りの環境からもカタツムリが多数生息しているとは言えず,数十分で移動.
これを繰り返し沼を転々と渡り歩く事態に.こうなってくると焦りが出始める.
序盤で不調なのは良くある事だが,今回は期待が高かった候補地で悉く惨敗.これでは早朝から出てきたというのにこれではまずい.


・・・






時刻は正午.




毒ビンにはまだ虫が1匹も入っていない.


そして早くも最後の候補地である沼・・・

周りの環境を見て落胆する.ここでは捕れない.




午前中を全て使って回った沼の数,10以上.それらの環境と大して変わらないからだ.
事前に見た地図上(航空写真)では大小様々な池沼が至る所にあり,どこでも捕れるだろうと思っていたのだが・・・

そこで,iPhoneで地形図を見てみると納得がいく情報が.北淡の池沼周辺は起伏がかなり激しく,池畔が直接山の斜面に繋がっていた.(山と山の間の谷に沼があるイメージ)私の思い描いていた環境は,池畔林にニセアカシアやハンノキが生えるような河川敷+湿地のような環境.なるほど,この地形・環境では理想の池畔林に出会えないわけだ.

午後13時を回ったところで前回行ったポイント(南淡)の環境と,今回選定したポイントの相違が理解できたのだった.



昼食を摂らぬまま,高速に乗り南淡方面へと急ぐ.念のためこちらのポイントも選定しておいてよかった・・・・・・・・・・
b0218371_1054324.jpg
1時間も費やし到着したのはこのような護岸された池.池畔林そのものは貧弱だが,周辺に流れる細流にはハンノキやバッコヤナギが自生し,河川林のような環境を作っている.とりあえず崖を掘ってみると,アオゴミムシ,ニセコガシラアオゴミムシなどがわらわらと降ってくる.やっと当たりのポイントを引いたようだ.
b0218371_10545896.jpg
池の近くにあった竹林を抜けると,カヤツリグサなどが生える湿地のような環境が出現.木の洞には大量のカタツムリも見られた.

しかし,マイマイの入りそうな崖も倒木も皆無である.ここまで来て坊主なのか・・・・・・・・・・・・・・



その怒りにも悲しみにも似た「やり場のない感情」を思わず傍にあったバッコヤナギにぶつけ,渾身の力を込めて幹を蹴った.
その衝撃で木の先端の部分枯れが粉砕され周囲に散らばる.

かつてウスバカミキリが穿孔していたのであろう.木くずが大量に舞い落ち,目の中にも入ってしまった.まさに泣きっ面にハチである.
b0218371_13515996.jpg
この木の先端が落下してきた.

経験上,蹴って砕け散るような材にマイマイが入っているとは思えない.


コンビニにでも行こうと荷物をまとめた.

今回の採集の出費は大きく,「これなら別のオサムシでも掘りに行けばよかった」と考えるほど気分はマイナス思考に傾いていた.





しかし!!!!!!












俯くと地面に散らばった先ほどの木片の一部が動いているのが目に入る.



何らかの生物が下いるのだろうか.



この大きさの木片を動かせるものがこの時期にいるとするなら・・・・・





b0218371_14131655.jpg
b0218371_14132976.jpg
オオォォオヾ(゚д゚*三*゚∀゚*三*゚д゚)ノシオォォオオ!!!!!!

っしゃあああああ!!!!ついに捕ったった!!!!でけぇよ!!!!!!!やべえよ!!!!!wwww

・・・取り乱しました.





一言で言うと「凄い」.今までのマイマイカブリとは重量・力・迫力が桁外れである.福江島の最大個体と比べるとまだまだ小さいが63mmもある.私の手持ちのマイマイカブリの中では間違いなく最大個体となる.

高い位置の部分枯れ・・・全くのノーマークであった.もしや大型個体はそのような場所でしか越冬しないのか?

以降,自分の身長より高い位置にある朽ちた部分を徹底的に攻める.
3m程の位置なら登って枯れた部分を切り落とし,地面で解体作業を行った.





その結果,1♂,3♀を追加することができた.いずれも大型の個体である.(♀は全て60mmを超えている.)
b0218371_14240091.jpg
大型の♂個体.55mm
b0218371_14240308.jpg
躯部分の形状が素晴らしい♀個体.
先ほどの♀よりは小さいがそれでも60mmは確実に超えている.

採集出来る範囲のものは全て得ることが出来たため,周辺にある池をカーナビで調べて最後の悪あがきをすることにした.夕暮れが近いので追加する
にはこれがラストチャンスになる.

池に着いてみると,予想よりしょぼい環境だった.池畔林は無く,ノイバラが生い茂る草原があるだけ.ノイバラを掻き分けて突入するも,掘れる部分は何故か土が盛り上がったこの箇所しかなかった.
b0218371_14244279.jpg

極僅かな期待を膨らませ,ススキの根元を掘ってみる・・・・
b0218371_14244658.jpg
なんと,5頭×2の集団越冬が出現.
しかし,サイズを見てみると50mm程度の個体ばかり.土に入る個体はやはり小さいのか・・・?


これを最後にコンビニに直行,10時間分のカロリーを摂取し帰路に着いた.

b0218371_14245964.jpg
今回の最大個体.63mm ♀
b0218371_14250308.jpg
エリトラ側面のラインもそうだが,全体の色が濃い印象.
b0218371_14251027.jpg
最大♂.
b0218371_14251418.jpg
♀に対して♂はかなり細身である.脚部も長い.
b0218371_14251981.jpg
大阪市淀川産のコマイマイ(手持ち最大)との比較.
b0218371_14252208.jpg
身体の厚さが・・・・・・・・・


今回の総括

北淡は地形図を見ると起伏が激しく,池畔も直接山の斜面に繋がって池畔林(湿地)が発達しにくい場所であることが分かった.
このような土地であるので、周辺の水田は棚田が多い.
一方,南淡は周囲を標高の高い山に囲まれ,その山の麓から一帯が平野になっていた.

南部山系からの豊富な水により,麓には大型の池が多く,かつ池湖畔及び周辺の細流にはハンノキやバッコヤナギが自生し河川林のような環境を作っている.淡路島の山地は極度に乾燥が進んでいるため,山地における個体数はかなり少なく,このような環境に依存しているものと推察される.


ともあれ,今回の採集は非常に充実したものになった.やはり島のマイマイは面白い.
隠岐や屋久島,福江島の個体もいつか「掘り」で捕ってみたいものだ.


[PR]
by wriggle00 | 2014-02-23 15:13 | Carabidae

堀祭【淡路島編】

1月12日
堀祭2日目,早朝より一行は淡路島へと目指す.
皆の希望であるアワジヒメオサ,オオオサ,シコクヤコン,ヒトツメアオなどを採集するのが目的だが,私の心中では密かにまだ見ぬ淡路マイマイへの欲望が渦巻いていた・・・マイマイだけに.

淡路島への出撃は今回で4度目だが,この島のマイマイカブリは相当掘りづらいものだということを感づいており,他のオサムシの「ついで」では可能性が限りなく低いと予測.一通り目標が片付き次第,目を付けていたポイントに寄り道することを考えていた.

まずは手始めにS山にてアワジヒメオサ,オオオサを狙うことに.昨年の感じでは何の苦労もなく対面できると思っていたのだが・・・山の斜面は酷く乾燥状態にあり,昨年かなり捕れたエリアでも全くいないという事態が起こった.ヒメオサから苦戦するとは思っていなかった・・・思いたくなかった.
掘り続けながら,何とか沢沿いの湿気のある環境を見つけて全員が採集できたが,予想以上に時間を使ってしまった.ヤコンに至っては私が1頭掘り出したのみであった.(まぁ,ヤコンだから良いけど)
b0218371_12242857.jpg
オオオサムシ Carabus dehaanii Chaudoir, 1848
やはり淡路のオオオサは綺麗.他のメンバーが得た個体の中にはより鮮やかなブルーの個体がいて羨ましかった.
b0218371_12262537.jpg
アワジヒメオサムシ
Carabus japonicus awajiensis Imura, Dejima & Mizusawa, 1993
昨年の猛暑&乾燥で個体数が減ったのか,または何らかの環境的要因があったかは分からないが,個体数が減少したように感じた.同じように,今年はどこへ行ってもオサムシが少ない気がするが気のせいか・・・?

ひとまず淡路特産のオサムシが捕れたのでヒトツメアオの開拓に移動.開拓とはいっても前回得られた崖の近辺を見てみる程度だが.このポイント周辺は海岸林が発達しており,ウバメガシ,トベラ,カクレミノなどが多く生えている.メンバーが放尿中に見つけたこの昆虫も海岸林に多く生息する種である.
b0218371_2248750.jpg
オオキンカメムシ Eucorysses grandis Thunberg,1783
生きているときや死んだ直後は美しいのだが,しばらくするとラードのように油が出て残念な感じになる.ゲンゴロウ感覚で標本にした方が良いかもしれない.

適当に車を走らせていると,岩がゴロゴロしている草地に面した崖を発見.崖には木の根が剥き出しになった個所がいくつもあり,おまけに粘土質.ゴミムシに最適な優良物件だ.
手鍬を入れると早速オオクビボソゴミムシ,フタホシスジバネゴミムシ,オオスナハラゴミムシ,ムナビロアトボシアオゴミムシ,ニセコガシラアオゴミムシなどが顔を出す!いきなりリーチがかかった!!
※単一の種がわらわらと出てくる場合の「ノーマルリーチ」に対し,複数種の集団越冬が連続する「プレミアムリーチ」の方が上位種(仮)の出現確率が高い(どうでもいい情報なのでスルーしてください).
b0218371_12270901.jpg
オオヨツボシゴミムシ Dischissus mirandus Bates, 1873
オオヨツはなんといっても匂いが良い.この芳香だけで白飯が3合は食える.
b0218371_12273074.jpg
ヒトツメアオゴミムシ Chlaenius deliciolus Bates, 1873

予定通りオオヨツ,ヒトツメアオが捕れたので普通種の生態写真でも撮ろうと,私は皆が掘った後の崖を再度掘り始めた.まだ捕っていないムナビロアトボシを目当てに木の根の密集した部分を抉る.中はいい感じに空洞になっており,いかにもゴミムシの入っているような空間だ.

穴を広げていくと・・・なぜか空洞の中は白いカビのようなもので真っ白になっており内には明らかに初めて見る昆虫の姿が.
b0218371_12281048.jpg
!!!!!!!!????????

・・・なんだ?!こいつは・・・!!!
b0218371_12294006.jpg
最初はゴキブリかシロアリの類かと思ったのだが,どうやら半翅目のようだ.それもウンカかヨコバイ,ハゴロモの系統.しかし,体に対して長すぎる口吻を持っており,地下にいたことから直感的にヤバいものだと感じた.ベトナムではアリヅカウンカの類が朽木内に居たのを目にした経験があるが,淡路島にそんなものがいるとは考えられない・・・ってヤバい!!!!潜ってく!!!!!!

とりあえず1頭は無事に確保したので,さらなる追加を求めて掘削を再開.もはやこの時,オサゴミのことはすっかり頭から消えていた.さらに3~4頭を捕獲するうちに,地表面から丁度25~40㎝の間に多く生息していることが分かってきた.
b0218371_12300537.jpg
掘っているとこのように「白い空間」が目印になるので,傷つけることなく確保できた.
この白い空間の正体だが,こいつが時折する動きによって作り上げられていたことを知る.確保する前に個体を観察していると,腹部を地面にこすりつけるように左右にふりふり.まるで「カゲロウ」のようだ.この動きによって蝋物質が腹部から外れ,白い糸に包まれた住処を作り上げていたのだった.



そして・・・


b0218371_12302088.jpg
A森が掘り出したこいつの真の姿.
そう,白いカビのような物質は腹部から分泌している蝋物質だったのだ.この蝋物質は非常に外れやすく,恐らく今までの個体は手鍬で掘る動作の振動で落ちたか,その振動で自身が激しい動きをしたために外れたのだろう.

そしてここで新たな疑問が.散々この崖を掘ってきたわけだが,その間何頭ものムカデやゴミムシに遭遇した.
にも拘らず何故このウンカ達は土中の広い空間をできていたのだろう?
私に考えられる可能性としては・・・この蝋物質の忌避効果ではないかと思われるが,謎は深まるばかりである.非常に興味深い.


その後,忘れかけていたマイマイカブリの捜索にまたもや大移動.
沈んでいく夕日の中,淡路マイマイはA森の手にだけ握られていた......

ヒシウンカで全ての運を使い果たしていたようだ.






後日,A森が即行で農大に持って行ってくれた.三田さんから林先生に連絡が行き,本種は
ヒシウンカ科の若虫と判明.国内では殆ど情報がないということだったので,A森に生きたまま持って帰ってもらって正解だった.

しかし,ヒシウンカとは・・・

あいつらの幼虫が土壌性だなんて・・・
[PR]
by wriggle00 | 2014-02-13 23:01 | Carabidae

掘祭【葛城・金剛編】

1月11日

待ちに待った3連休2か月ほど前から計画を立てていた近畿でのオサ掘りが実現した.大学を卒業してからは単独での採集が多く,ましてや大学時代の戦友達と手鍬を交えることも少なくなってしまっていた.私が大阪にいる期間も残り少ないので,どうせなら皆を呼んでしまおうというのが企画の発端.

11日,早朝,梅田駅に懐かしい顔ぶれが.今回参加したのはS田(外道の方),T盤,M岡,A森(こいつとは頻繁に採集してるので懐かしくない).尚,T盤については遅れるという連絡があったため,採集地である大和葛城山の最寄り駅に集合というペナルティを科した.移動中の車内は外道チョイスのアニソンが鳴り響く.

9時半,現地に到着.ロープウェイで天界へと赴く.学生時代なら金がないので間違いなく自力で登ったものだが,社会人は時は金なり.文明の利器は惜しみなく使う(メンバーの大半が車に財布を忘れたため全て外道が支払った).方舟を降りると予想外の事態.
一面の雪化粧である.
大阪近辺だから積雪はまずないと舐め腐っていたため,いろんな意味で開幕から足元を掬われた.

雪がなんぼのもんじゃーい!!と一同は崖に向かって突撃!交戦状態に入る!!
手鍬が弾かれようがお構いなし.凍結している際は表層を軽く削っていればオサムシの
越冬窩はすぐ見つかる.出てくるオサムシで一番多かったのはやはりオオクロナガ.常に周囲はこいつの匂いが漂っていた.
b0218371_19390985.jpg
オオクロナガオサムシ
 Carabus kumagaii kumagaii
Kimura et Komiya, 1974

もうクロナガでも楽しい.やはり「捕りニケーション」は大切である.
オオクロナガはもはやどこにでも入っている様子.いい加減鬱陶しくなってきたため,苔が生えているような水分が十分にある崖を探す.苔が生えている崖はかなりカチカチに凍結しているため,予想以上に苦戦を強いられた.それでも皆黙々とオサムシを追加している.流石は農大昆研.私は学生時代に戻ったようで,終始懐かしさで一杯だった.
b0218371_21435589.jpg
イワワキオサムシ Carabus iwawakianus Nakane, 1953
今回の感じだとそこまで個体数は多くない印象.掘り出した時に裏返っているとドウキョウに見えて若干イラつくが良いムシ.初めは小さいドウキョウか,ミナミヤマトの大型個体かと思った.
b0218371_21480719.jpg
迷った時はゲニを見れば一目瞭然.

オサムシを崖から掘り出すと必ず斜面側に頭を向けているが,何か理由があるのだろうか.潜り込む際は頭から入るはずなので,越冬窩内でわざわ方向転換をするのは興味深い.
b0218371_20070454.jpg
オオオサムシ Carabus dehaanii Chaudoir, 1848
ここではオオクロナガに次いで大型の種.しかしゲニは並サイズ.オオオサはチュウブか淡路の個体が美しくて好きだ.福江島の個体も欲しいところ.
b0218371_20151187.jpg
アキタクロナガオサムシ
Apotomopterus porrecticollis porrecticollis Bates,1883
関東地方
の河川敷などでは朽木で捕れるイメージが強いが,今回は崖から得られた.個体変異だとは思うが関西のアキクロはマイマイと同じで黒っぽい印象(関西の個体は数を持っていないので根拠はない)

ドウキョウ狙いでひたすらカチカチの苔を掘削していると,小型のオサムシがぽつぽつ捕れはじめた.ヤマトオサムシの亜種,ミナミヤマトオサムシである.捕れ方がシズオカ狙い時のルイス,またはチュウブオオオサのマルバネに似ている.
b0218371_21575659.jpg

ミナミヤマトオサムシ 【通常色】
Carabus (Ohomopterus) yamato kinkimontanus Imura & Mizusawa, 2002
b0218371_21581150.jpg
ミナミヤマトオサムシ 【暗緑色型】
C.yamato kinkimontanus Imura & Mizusawa, 2002
小型のたくさん出るオサムシは大抵レアカラーが存在しており,それを集めるのも楽しい.エサキでも緑とか青が出る位なので,本種も色彩のバリエーションが多そうだ.ちなみにオサムシ図鑑をまだ買えてないのでさっさと入手したい.

b0218371_22144140.jpg
次に目を付けたのは写真のようなササが生えている崖.根をつたって多数のオサムシが越冬することだろう.絡み合っている地下茎を揺するとミナミヤマトに混じって中型のオサムシが「ポトッ」と土の上に落ちた.
b0218371_22223727.jpg
これは・・・奴か?
b0218371_22251965.jpg
間違いない.メインターゲットを達成!
b0218371_22262287.jpg
ドウキョウオサムシ 【黒色型】 Carabus uenoi Ishikawa, 1960

今回捕った個体は全てゲニを抜いて確認したのだが,赤いタイプも出るんですね.ドウキョウは黒い個体しかいないと思っていたので驚いた.赤い個体は適当にドウキョウの色変わりか他のなにがしかのオサムシだと思い込んでおり,ゲニを出した時に驚愕した.
b0218371_20012459.jpg
ドウキョウオサムシ 【赤褐色型】 C.uenoi Ishikawa, 1960
b0218371_22370561.jpg
右:イワワキ,左:ドウキョウ
どんだけデカいんだよ・・・・

皆がドウキョウを仕留めた辺りで採集を切り上げる.最後に倒木からホンマイマイを追加して帰路に着いた.
b0218371_22381461.jpg
ホンマイマイカブリ
Carabus (Damaster) blaptoides Kollar, 1836

葛城・金剛のオサムシはこれで全種かな・・・?・・1種足りない?ああ,ヤコンね・・・

淡路島編につづく・・・・

[PR]
by wriggle00 | 2014-02-01 22:54 | Carabidae

保津峡カミキリ探索Ⅳ

6月23日
 またいつもの時間にいつもの場所へ.
 今回は先週の雪辱を晴らすため,頭の中はオオムツボシ一色である.
b0218371_20485478.jpg
 とりあえず満開のクマノミズキで準備運動.気温が上がらないとタマムシは飛翔を開始しない為,10:30頃まではアオカミキリを討伐することに.大型のため肩慣らしには丁度良い虫だ.アオカミキリは6頭程で,他はクラルアや各種トラカミキリ,キイロクチキムシなどが得られた.
 この日も気温は30℃前後と高く,タマムシには絶好のコンディション.林道を上りながら伐採木や立ち枯れをチェックし雑甲虫の捕獲数がどんどん増えていく.水性のエアゾール剤によるスプレーイングが非常に効果的で,各種ナガクチキムシ(この日捕れた良いものはコメツキナガクチキ位だが),ゴミムシダマシ,ホソカタムシ,キノコムシの類が面白いほど落ちてくる.
b0218371_20593398.jpg
 このように良さそうな立ち枯れ下部に布を敷いて,表面にエアゾール剤を散布する.根元付近まで丁寧に覆い,隙間をなくすのがポイント.水性のため虫が落下してくるまで少し時間がかかるが,薬剤が残留することがないことは確認済み.(スプレーイングを行った木を一週間後に確認したところ,再び虫が集まっていた)根元付近に重点的に噴霧すると,時折面白いものが得られるのでやってみる価値有り.
b0218371_21114347.jpg
エグリゴミムシ Eustra japonica Bates, 1892
好蟻性ではないがヒゲブトオサムシに近い甲虫.ルッキングでも得ることができるが,生息環境にスプレーをほんのちょっとかけるだけでわらわら出てくる.所謂「ちょっと良いムシ」だ.
b0218371_21114811.jpg
キンケツツヒメゾウムシ Phaenomerus foveipennis Morimoto, 1961
和名にヒメゾウムシと付くが実はクモゾウムシらしい.生態も実に面白く,カシナガと深い関連があり,成虫はカシナガの坑道に入っているので,スプレーイングを行うと非常に楽に採集できる.動きは非常に遅い.ホソミツギリゾウムシの歩き方に良く似ている.
 木を舐めるように見ていると十字に翅を広げ,大きな甲虫が飛来してきた.オオムツか?!長竿で素早くネットイン.しかし,現実は甘くなかった.
b0218371_2113315.jpg
オオフタモンウバタマコメツキ
Paracalais larvatus larvatus Candeze, 1874
 思わず舌打ち.まぁ,デザイン的には好きな虫なので一応捕獲.栃木などではまず見れなかった虫なのでつい捕ってしまう.
 もう完全に採集の流れが雑甲虫モード.いかんいかん.オオムツを探さなければ・・・.前々回ナガフトヒゲナガゾウムシを大量にシバいたコナラを目指す.あそこなら可能性があるはず.道中,巨大なカミキリが飛んでいたので全力疾走してネットインしたのがセンノキだったり,ヤノトラ狙いでエノキを見てみたがアシナガオニゾウムシばかり踏んだり蹴ったりだった.ヤノトラには早すぎるのは分かってはいるが,ついエノキは見てしまう
b0218371_21423467.jpg
センノキカミキリ Acalolepta luxuriosa luxuriosa Bates,1873
b0218371_21431977.jpg
アシナガオニゾウムシ Gasterocercus longipes Kono,1932
b0218371_2150218.jpg
 結局,立ち枯れに到着したのが12時過ぎ.昼飯を食べながら奴の飛来を待つ.立ち枯れには無数の寄生蜂やエグリ,キイロ,シラケ,ウスイロなどの広葉樹食いのトラカミキリが飛来してはいるが,中々オオムツボシはやってこない.仕方なく根元付近でまたスプレーイングをしようと準備を始める.・・・何やらカサカサ音がする.立ち枯れの近くを何かが歩行しているようだが何処にいるのか分からなかった.
 この場所での成果は先ほどのラインナップと殆ど変らなかったが,こちらの方が全体的に虫の数が多かった.枯れて間もない木だからなのだろう.とうとうオオムツボシを得ることは出来なかったが,全体の採集品の数としては満足していたので,帰り支度を開始.忘れ物がないか地面を見ていると,数時間前にカサカサしていた昆虫の正体が判明.どうやら車にぶつかったか,捕食者にやられたのであろうニワハンミョウであった.エリトラが半分取れてしまい,飛べない様子.このまま死んでいくのなら一応回収してやるか・・・と落ち葉に潜り込んだその個体を手に取る.
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
b0218371_215026100.jpg
オオムツボシタマムシ Chrysobothris ohbayashii Y.Kurosawa, 1948
 こんな形で出会うことになるとは・・・本当に複雑な気持ちだった.というか手で持つと本当のこの虫の凄さが分かる.他のムツボシタマムシとは比べ物にならない重量感.顎,脚の力もかなり強くしっかりと手で押さえないと簡単に逃げられてしまう.
b0218371_2150528.jpg
ちなみにどの位大きいかというと・・・アオカミキリやオオフタモンウバタマと並べても引けを取らない大きさ.素晴らしい.
 完品が良かったのは当然だが,今回は素直に捕れたことを喜ぶことにする.完全に生息が確認できたので,後日追加を狙ってみようと思う.(同立ち枯れで2時間粘ったが追加ならず)
b0218371_21504141.jpg
今回の採集品(甲虫).甲虫以外はヤドリキバチやセイボウなど蜂類も多数得られたので非常に有意義な採集だった.とりあえず,今回の目的は達成かな・・・
b0218371_22311218.jpg
エリトラを複製して反転させる方法を誰か教えてください(笑)
[PR]
by wriggle00 | 2013-07-02 21:52 | Cerambycidae

保津峡カミキリ探索Ⅲ‐悲劇‐

極力採集に行った日にブログを更新したいのですが,なかなか上手くいきません.

6月16日
連日の真夏日.
 近畿には梅雨は来ないのだろうか.この日の最高気温は35℃を超えており,外に出るのが億劫な程だった.しかし休日はどこかで網を振ってないと気が収まらないので,またいつものポイントへ.
b0218371_21384550.jpg
素晴らしい景色.電車から降りただけで汗だくになる
b0218371_21391468.jpg
道脇のクマノミズキは五分咲きくらい.
 こう熱いと花に来る虫の種は制限されてくるが,今回はどうだろう.花を掬うと大量のハナムグリが空一面に舞う.網の中にも大量のハナムグリが入り,とても鬱陶しい.カミキリはツマグロハナとミヤマホソハナが殆ど.アオカミキリらしきものが視界に入ったのでガードレールの上に立って狙撃を試みる.
b0218371_21391622.jpg
ミヤマホソハナカミキリ Idiostrangalia contracta Bates, 1884
 花上を飛び回っているアオカミキリは,どうやら谷下のカエデから発生したようだ.観察していると,クマノミズキやアカメガシワ,ネムノキ,カエデなどの一番高い枝に一瞬だけ止まり,また飛び立つという行動をしていた.ネットインした個体もすべてオスだったので,メスを求めて枝から枝へランダムで飛び回っているものと考えられる.うーん.同じアオでも平地と山地では少し行動が違うのかもしれない.今回観察した一連の行動はオオヒゲブトハナムグリの♂の様だった.
b0218371_21442556.jpg
アオカミキリ Schwarzerium quadricolle Bates,1884
林道に入り,日陰をぶらぶら.いつもチェックしているしょぼいライトポイントへ.
b0218371_21543216.jpg
白熱電球を勝手に水銀灯に変えたい.下部に虫が隠れられる隙間があるため,そこをほじくると色々出てくる.
b0218371_21543792.jpg
クビアカサシガメ Reduvius humeralis Scott,1874
 灯火に来たのだろうか,クビアカサシガメがいた.このサシガメはノリウツギやリョウブ等の花で得られることが非常に多い.幼虫時代はゴミを体に付着させていて興味深い.ウスバカゲロウの巣があるような大きなクヌギ,コナラなどの根元付近で見つかるが,あまり多くはない.この灯火では他にゴホンダイコクコガネ,オオゾウムシ,ナガフトヒゲナガゾウムシ,ワモンサビカミキリ等が確認できた.
b0218371_228373.jpg
その後は林内の伐採ポイントを散策したが,暑さのためか虫は少なめ.目ぼしいものは吹き上げでアオマダラタマムシを得たくらいだった.
b0218371_2281447.jpg
クロホシタマムシ Ovalisia virgata Motschulsky, 1859 広葉樹の伐採木にいた個体.炎天下はタマムシ採集に向いているので,午後は林縁を掬いながら伐採木を見て回ることに.

・・・しかし,この後不幸が襲う.

 前回ナガフトヒゲを得たような,カシナガによって枯死したコナラの大木があるポイントへ.ナガタマムシや各種トラカミキリが数多く飛来している.根元付近にはキノコゴミムシやキノコムシも多いので,木の近くに寄ろうと,ガードレールを跨ごうとする.

 その時だ,コナラの幹に大型の甲虫が飛来したのが分かったのだが,どうやら丁度自分から反対の位置に着地した模様.高速で移動する甲虫がハッキリと認識できる.

ッ!!!!オオムツボシ!!!!!!!!!

見間違えることはない.ここまで大きい・・・いや巨大なムツボシタマムシは日本では他に存在しない!どうアプローチするか考えていると,なんとこの個体はその場で静止をし始めた.どうやら産卵している様子.
これはシャッターチャンス!カメラを構えて慎重に近寄る.いいぞ・・・あと50センチ・・・40センチ・・・・・・・・
 
 間もなくオオムツボシにピントが合おうという瞬間,突然後ろから人の影が・・・・その影に驚いたオオムツボシは,一瞬で飛び去る.わぁ・・・・オオムツボシの腹板ってあんなに緑色なんだ・・・・・って・・・ええええええええええええええええ????!!!!
おっさん「なにやってんですか?」私「あんたがなにやってんだよ!!!うわーうわー・・・」・・・この後このおっさんと10分弱言い争うことになったが,もう訳がわからない.最悪だ・・・ムツボシ系は非常に目が良く,少しの影でも瞬時に反応して飛び去ってしまうのに・・・写真も撮れず後味の悪い抗論でテンションはガタ落ちである.尚,このポイントで1時間程粘ったが,再びオオムツボシが飛来することはなかった.
b0218371_23222414.jpg
今回の成果.オオムツボシを捕り(撮り)逃がした後はろくに網を振らずに下山したため微妙な戦績.下山中,光り輝いて飛んでいくオオムツボシの姿がずっとフラッシュバックしていた.
オオムツボシ・・来週は絶対に捕ってやる・・・・
[PR]
by wriggle00 | 2013-06-24 23:32 | Cerambycidae