蠢蝦螽蟷昆蟲記

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東京に戻りました

1年間の大阪勤務が終わり,東京の事業所へ転勤致しました.

大阪での1年はとても有意義なものでした(虫的にはやり残したことが多いですが).しばらくは転勤等はないのでまた関東での採集活動がメインとなります.
今年は溜まっている知見の報文作成もやりつつフィールドに繰り出そうと思っております.


さて,引っ越し前に確保してきた材から,続々と羽化が始まりました.桜も完全に散り,虫のシーズンも開幕したようです.

〔材採集:京都府京都市〕
植物名:ソヨゴ Ilex pedunculosa

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クビアカモモブトホソカミキリ
Kurarua rhopalophoroides Hayashi, 1951

カエデの花などに訪花している個体が大量に捕れるので,材採する意味があまりない種類だが,昨年の材からは全く出なかったので材採リベンジ.
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狙うべき材はこんな感じの切断面.米粒とほぼ同じくらいの食痕なので分かりやすい.早速ホソアリガタバチ Sclerodermus harmandi Buysson, 1903 による進撃が開始されているが,クラルアはすでに成虫になっているため安心だ.
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材上を歩行する脱出直後の個体.
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かなりの飛びたがりや.エリトラの湾曲が少なく直線的.
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アオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis Snellen von Vollenhoven, 1864

このソヨゴ材には大きな食痕は認められなかったので本種が脱出した時は驚いた.この個体は黄緑色が強いが青~赤味がかる個体もいる.属名
buprestisはクロタマムシなどが所属する属だが,Nipponoが付くことで上品で気高い趣があることを意味している(嘘)
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腹面も美しい.
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こちらは赤味の強い個体.アオマダラというよりはキマダラという印象だが一気にランクダウンしそうな名前になるので文句は言いませんw
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この分だとまだまだ羽化しそうだ.大型の寄生蜂が出てくれないか期待している.
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コガネコバチの動きにそっくり.左右に体を揺するような動きは体表面の金属光沢と関係があるのだろうか.

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by wriggle00 | 2014-04-23 18:15 | Cerambycidae

羽化

 5月に採集してきた大隅材から早くもカミキリ達の羽化が始まりました.まだ木の中から幼虫のカリカリ音が聞こえるので長く楽しめそうである.

〔材採集:大隅半島〕
植物名:クロガネモチ
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Foenatopus sp.

出たときはParastephanellusかと思ったが翅脈で属は容易に判別できる.
ケツノヤセバチ Foenatopus cinctus Matsumura, 1918. であるとは思うが確証がない.

25.6.3 追記
菊池氏にご指摘を受け,Megischus sp. と訂正します.
ハチのパッと見同定は危険すぎる.

25.6.8 追記
さらに渡辺氏にもご指摘を受け,やはり最初に同定したFoenatopus sp. でした.

植物名:ヤブニッケイ
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トゲヒゲトビイロカミキリ Allotraeus rufescens Pic,1923.
クスノキ科なら何でもホストにしていそうなカミキリだが,特にヤブニッケイやホソバタブ,タブノキなどに多い.Ceresium属のように変な臭いを出す.

植物名:ホソバタブ
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タキグチモモブトホソカミキリ Cleomenes takiguchii Ohbayashi,1936.
ホタルカミキリ族 Cleomeniniに属するカミキリ.日本産はやや複雑な模様をしているが海外だとクビナガムシのような縦筋の入った種が多い印象.とにかく素晴らしいカミキリだ.
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裏面はコボトケヒゲナガコバネ程毛深くないが,銀色の細毛による模様がある.
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by wriggle00 | 2013-06-02 19:06 | Cerambycidae

大隅春の材祭り

5月12日
 5月連休中どうしても行きたい場所があった.九州の南端,大隅半島である.この地は多数の特産種を産し,昆虫相も琉球,奄美要素を受けていて非常に興味深い所である.それ故にカミキリ屋さん達に人気の採集スポットである.
 これからの時期,長期的な休暇は期待できないので,春のうちに大量に材採をして置けばわざわざ成虫を捕りに行く必要がなくなると考え,(本当はLTが死ぬほどしたい)さらに,この時期に大隅に入る虫屋は少ないため,面白い種が捕れると予想して採集を決行した.
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 まずは関空から「虫屋の味方」peachを利用して鹿児島空港まで.ほんの2時間程で現着.速攻でレンタカーを借り,本土最南端を目指して進む.
 道中,開花していた花はガマズミ,ミズキ,スダジイなど.特にシイ類は満開の状態に当たった.これは期待できる.まぁ・・・今回は材採メインだからスルー・・・・・という訳がない.道路脇に咲いている花は各駅停車で掬っていく.まず開幕で驚いたのがハナムグリ・コガネの種類だ.本州でガマズミを掬えば大抵コアオハナムグリかアオハナムグリがわんさか入るが,ここではジュウシチホシハナムグリばかり.うひょーーーー!!と言いながらすべて回収.
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ジュウシチホシハナムグリ
Paratrichius septemdecimguttatus Snellen Van Vollenhoven, 1864.
 この種がここまで個体数が多いとは思わなかった.体色も赤色型と黒色型があり,虫屋を飽きさせない気配りができている.
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カーブ終わりに花があると急ブレーキに繋がります.お気を付けください.

 桜島を通過した辺りから常緑広葉樹の深い森が濃くなってくる.開花時期の照葉樹林はまさに金色の野である.目的地の山塊が見えてきた辺りで,私の長竿の有効射程内に届くであろうシイを発見.早速飛翔しているカミキリから攻撃開始.花の周りを飛んでいるのは殆どがタテジマホソハナだった.ニンフではないだけまだましだが,まあ今の季節はこんなものだろう.
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タテジマホソハナカミキリ Parastrangalis tenuicornis Motschulsky, 1861.
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ミヤマクロハナカミキリ Anoploderomorpha excavata Bates, 1884.
 その他,大量のPidoniaが入ったが,写真は無し.キュウシュウヒメハナ以外は本州にもいる種が殆どであった.花の上の方を見ると何やら赤いカミキリが飛んでいるのが確認できるが,なかなか低い位置に降りてこない.種を想像して妄想を膨らませながら待つ.最終的にはモウセンハナカミキリと決めつけ,下降してきたところを一気にフルスイング!
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ヘリウスハナカミキリ Pyrrhona laeticolor laeticolor Bates, 1884.
 ああ,君か.がっかりだよ・・・まあ近くにタンナサワフタギがあるいい目安になりましたよ.キュウシュウトガリバも欲しいからね.私は.
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♀個体.どうやら日が暮れてくると個体数が増すようだ.
 今回は鹿児島自体に着いたのが13:30と遅めで,シイを掬っているうちに日が暮れ始めたためこれで採集終了.温泉に入り明日行動する材採ポイントで車中泊.沢にビールを冷やし,ソーティングをしながら夜を過ごした.
5月13日
 朝日で目覚める.とても心地よい気温で,車内でもぐっすり眠れた.朝日を浴びながら寝起きの一服をしているとアカメガシワに虫のシルエット.!!!トラニウス!?早すぎだろ!!・・・と興奮したが,オナガキバチの♂であった.本当に紛らわしい.
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オナガキバチ Xeris spectrum spectrum Linnaeus, 1758.
キバチは好きで集めてはいるがこのグループの♂のつまらなさは異常.♀はあんなにかっこいいのになぁ.
 気を取り直して本日はメインの材採集の日.狙いの材はタンナサワフタギ,ヤブニッケイ,ホソバタブ,ハイノキ,クロキ,マメガキ,ヤブツバキ,その他.よく採集されている樹種なので何のホストになっているかは説明不要ですね.
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この山は尾根沿いまで伐採された形跡があり,その奥は深い森になっている.この明るい場所と暗い場所の境目,かつ尾根筋こそ一番虫が多いポイントだと思う.
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見た目歩きやすそうな山に見えたが,一面がバラの群落であった.体中が傷だらけになったが材のためだ・・・普通の山なら15分くらいで登れる距離だが,1時間以上を費やしてしまった.やっとのことで尾根に到達.もののけ姫の巣のような岩があったので見下ろして記念撮影.ここでライトをやってみたい・・・
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 尾根に到着すると案の定吹き上げになっており虫の数が違う.目的の材を得るため斜面を登ったり下りたりを繰り返し,状態の良いクスノキ科の倒木を発見.
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周辺に独特の香りが広がっており,大量の木粉が噴出している.
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入刀!!!
 樹皮下の食痕はすべからくトゲヒゲトビイロなので無視.心材部の穿孔痕が多い部分だけを切り分ける.冬の材採では大人しいカミキリ幼虫も今の時期は食べ盛りなのか非常に元気.ちなみに殆どがカミキリ亜科の幼虫だ.流石大隅.
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切り分けた材.ヤブツバキ以外はある程度の数を揃えることができた.ヤブツバキはオオスミミドリのホストとなっているのだが,木の数が多すぎて食痕が全くない場合が多かった.古めの材から食痕を見出したが,そこまで期待はしていない.

 尾根から車まで未解体の倒木を引きずりながら2往復程していたので体力は限界.材採終了後は海岸沿いをのんびり探索.私の好きなある虫が沢山発生していた.
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ニホンホホビロコメツキモドキ Dauledaya bucculenta Lewis, 1883.
5月14日
 最終日.この日は中途半端な時間に飛行機が飛ぶために殆どが移動時間と材の郵送作業で終了.クスノキ科だけで15kgあったのでパッキングがかなりしんどかった.さらに,かなりの炎天下ということで,カミキリではなくタマムシ採集などをして大阪へと帰りました.
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アオマダラタマムシ
Nipponobuprestis amabilis Snellen von Vollenhoven, 1864.
個人的には日本でトップクラスの美麗種だと思っているタマムシ.西日本では個体数は少なくないが,関東では少ない.

今回の採集の成果は材にかかっているので,羽化し次第報告いたします.黄色いカミキリは出てくれるでしょうか.
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by wriggle00 | 2013-06-01 21:32 | Cerambycidae

沖縄のIproca

〔材採集:沖縄本島〕
植物名:ヘクソカズラ
ちょっと嬉しいものが出た.
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一見ただの蔓だが・・・
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オキナワトガリバサビカミキリ
Iproca aoyamaorum Hasegawa et Ohbayashi, 2006
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ヘクソカズラの皮に酷似した形態.脚を閉じて静止していると蔓と見分けがつかない.
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by wriggle00 | 2012-07-10 10:36 | Cerambycidae

ぴょんぴょん(跳)

 本日,材を整理していたところ,材箱の中で跳ねまわる奇妙なハチを見つけた.Megalyridaeかと思い,慌てて三田さんのもとへ走る.Megalyridaeだったらどうしようと,心拍数がかなり上がっていた.体長はちょうど10mm.産卵管が無いのでMegalyridaeの雄かと思いこんでいた.
 農博で三田さんを見つけ,お聞きしたところヤドリキバチの一種 Orussus striatus Maa, 1950であろうとのこと.西表島と中国から記録があるが,材からの採集例は恐らく無く,大変珍しい記録である.寄生蜂の中でも非常に特殊なグループで,キバチ類に寄生する.南西諸島ではキバチ自体が稀なので,本種の個体数も相当少ないものと思われる.
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触角が複眼の下から生えている.
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可愛過ぎて何枚も写真を撮ってしまった.
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動きはウンカ,ヨコバイに酷似している.動画も撮ろうと思ったが,動きが速すぎて無理だった.

 Neoapenesiaの交尾を目撃しておきながら,写真が撮影できなかった失態.コールドスプレーで連結したままの標本を得たかったのだが吹き飛んで外れてしまった.
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腹いせにガチ展足してやった
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by wriggle00 | 2012-06-13 21:30 | Parasitoids

羽化ラッシュ

 琉球遠征の材からカミキリの羽化が始まった.
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材の管理状況.
材が多すぎてプラケースでの管理は不可能.業務用の極厚ポリ袋を使用している.
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タカサゴシロカミキリ Olenecamptus formosanus アカギ,奄美大島
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ケナガカミキリ Artimpaza setigera japonica シバニッケイ,奄美大島
他にも多数のカミキリと寄生蜂が羽脱中.徐々にupします.

 材採集とは関係ないが,昨年11月に菌糸に移したイワワキセダカが成虫になっていた.20個体いたものが1個体になってしまった.初齢の段階では菌糸カップに移すのはNG.2齢以降まで市販のクワガタマットを用いて育成した後で菌糸カップに移すのが好ましい.今年もコブ叩きに行く際には累代を意識して持ち帰ろうと思う.
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イワワキセダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber shibatai
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by wriggle00 | 2012-05-19 19:29 | Cerambycidae