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蠢蝦螽蟷昆蟲記

sawadaidae.exblog.jp

春風駘蕩

 日曜日,新一年生の宮尾,藤沢,山本と共に弘法山へ行ってきた.
気温はさほど高くなかったが,天気は快晴.採集日和となった.
まずカエデの花を掬い,前菜を楽しむ.トゲヒゲトラ,ヒナルリばかりであったが,
皆で楽しめたのでよしとしよう.
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カエデを掬う藤沢.長竿初挑戦らしい.

 下見で訪れた時のほうが虫が多い気がする.
前日の強風と低温の影響であろうか.それでもチョウはたくさん飛んでおり,ツマキチョウやトラフシジミ,キアゲハ等が見られた他,宮尾がカエデからイタヤハマキチョッキリを得ていた.春風駘蕩_b0218371_10221751.jpg
トラフシジミ Rapala arata ♂ 春型

 カエデエリアを離れ,登山口より登っていく,いつもならハンミョウ達が出迎えてくれるのだが,今年はまだ出ていない様子である.変わりにシオヤトンボの未成熟個体が頻繁に目視界に入る.畑の脇にクズの枯れ蔓が積んであったのが気になった.シーズンになればトガリシロオビサビやコブスジサビがビーティングで得られるだろう.春風駘蕩_b0218371_10222257.jpg
採集風景.新緑がとても美しい.

 12:00.山頂へ到着.
飯を食べながら一服していると,おばちゃん達から「何を捕ってるの」と質問責めに遭う,その全てを丁重に答えると,お礼に梅酒を頂いた.経験値が370上がった.春風駘蕩_b0218371_1433183.jpg
梅酒と共に桜の花びらのデザート?を貰ったが,少々量が多すぎた.

 午後はスギカミキリでも摘みながら下山して行こうと思ったがスギカミキリの発生状態が悪く,私と宮尾が一頭ずつ捕れたのみだった.しばらく歩いていくと,焼畑的な環境が現れた.去年までは無かったので仰天した.伐採されていたのは主にクリ,コナラ,エノキである.夏にはカミキリ,タマムシの大運動会が繰り広げられる事だろう.時期的な要素もあって,カミキリの姿は無かった.材上に飛来したアリモドキカッコウムシが一頭得られた.春風駘蕩_b0218371_10225145.jpg
まるで海外に訪れたような風景である.

 焼畑(仮)を後にし,下山ルートへ.周辺に少数ではあるが,スギが生えていたので樹皮を捲ってみると,スギカミキリの♂が静止していた.これに触発され,皆が一斉に探し出すも結局追加は無かった.
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スギカミキリ Semanotus japonicus ♂ スギの樹皮の隙間に潜んでいた個体.

 日も傾いてきたので一気に麓まで下り,スギカミキリのポイントへ.ベニカミキリも居ないかとタケを割ったが,食痕しか確認できなかった.ベニカミキリ程度に負けた気がしてムカついたのは秘密である.スギカミキリのポイントでは山本がペアで捕った以外は成果は無かった.
 皆がスギカミキリを探している間,私はというと,近くに生えていたメダケが気になったので宮尾にナタを借りて割っていた.とあるカミキリを皆に見せたかったのだ.
 10分程メダケと遊んでいると,そいつは姿を現した.春風駘蕩_b0218371_1023999.jpg
ハイイロヤハズカミキリ Rapala arata ♂

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やっぱり良いカミキリだ.

 私はただ捕りたかっただけなので,本日一番成果の乏しそうな藤沢に託した.
宮尾が最後まで粘り,幼虫2頭を得ていた.
1年ともコミニュケーションを捕れたし,今年の弘法山の様子も把握できたので良い一日であった.本厚木でラーメンを食べて採集会の〆とし,解散した.今後の1年生の成長が楽しみである.
by wriggle00 | 2011-04-18 15:28 | Insect collecting