蠢蝦螽蟷昆蟲記

sawadaidae.exblog.jp

備中、新緑の季節①

4月28日
GWを利用し,モンクロベニカミキリの下見も兼ねて,中国地方は岡山県高梁市付近に行ってきた.社会人になってからまともな遠征は初なので気合を入れて採集してきたつもりだ.
 中国地方は昆虫採集に関わらず未踏であるため非常に楽しみである.関東とはどんな違いがあるのだろうか.

 AM6:00.上本町付近でレンタカーを借り,高速道路で岡山を目指すが,大した渋滞もなく9時には現地に着いてしまった.標高はさほど高くないものの,朝は結構冷えるようである.
b0218371_1505094.jpg
いつも混んでいる宝塚付近だが,この日は楽に突破できた.

 兵庫に入り,岡山県境位になると山の雰囲気が大分変ってくる.スギの植栽林が目立たなくなり,山頂まで綺麗な雑木林が広がり始める.人間が育ててきた山々が多いのには素直に感動した.訪れる前までは針葉樹林や照葉樹林が多いものとばかり思っていたのだが,素晴らしい森林が非常に多い.関東平野のスギばかりの汚らしい山とは大違いである.
b0218371_1581844.jpg
こういう山は見ていて飽きることはない.

 目的地である高梁市に到着.勘で林道に突入すると見事な伐採地が迎えてくれた.定期的に伐採が行われているようで,ひこばえが大きく成長している株が多い所もあれば,一週間以内に出来たであろう伐採地もあった.
b0218371_15253025.jpg
カミキリ屋であれば誰もがわくわくするだろう環境だ.
b0218371_1532173.jpg
ひこばえの状態はこんな感じ.モンクロベニの好みそうな材もあったが,この種は成虫の状態で採集したいのと,近いうちにまた訪れるので今回はスルー.積まれた伐採木にはシラケトラやアリモドキカッコウムシなどがいたが,クリストフにも少し早い様だったので長居はしなかった.

 続いて,カエデの花掬いのためカエデを探す.このあたりからかなり気温が高くなり25℃という最高のコンディションに.4月の山で半袖で採集出来るとは.
b0218371_1614840.jpg
のんびり山道を走っているとこんな感じにカエデが.
 長竿を準備していると何やらカサカサと音がする.どうせヒトリガ幼虫だろうと思い目をやるとでっかいマイマイカブリだった.そうか.もうそんな季節だもんね.
b0218371_1675764.jpg
ホンマイマイカブリ Damaster blaptoides blaptoides Kollar, 1836.
まだ本調子ではない感じ.越冬明け直後なのだろう.
b0218371_16103158.jpg
ありがたく頂きます.う~ん,芳醇なかほり.

 気を取り直してカエデタイム.目ぼしいカミキリは少ないが,半年ぶりに網を振るうとやっぱり快感.オサ掘りも良いけど採集はこうで無くちゃな.カエデの下で煙草を吸いながら飛来を待っていると明らかにGlaphyraの機影が.こいつらは飛び方が弱弱しいのですぐ分かる.
b0218371_15582457.jpg
オダヒゲナガコバネカミキリ Glaphyra gracilis Hayashi,1949.
ホソツヤと似ているが,触角第5節以降の微毛と腹部の毛の状態で区別できる.

 他にこの場所で確認できたカミキリはヒナルリハナ,キバネニセハムシハナ,セスジヒメハナ,ヒメクロトラ,トゲヒゲトラ,コジマヒゲナガコバネ,ホタルカミキリくらいだったので,大きく場所を移動することに.さらに山奥へ標高を上げていくと二つの小さな山に挟まれた谷のような環境にカエデが群生しているのを発見.こういうところは虫が溜まりやすい.
b0218371_16572559.jpg
道路から少し離れたところにカエデが10本以上生えている.

 カエデを見てみると夥しい量のハナバチやケバエ,ヒゲナガの類が乱舞している!素晴らしい・・・花も完全に満開状態.これは期待できる.
b0218371_176282.jpg
虫の羽音が最高のBGM.
 さっそく“軽く”花を掬ってみると訪花していた昆虫が一斉に飛び立ち辺りが竜巻のようになった.伊那も虫の量は多かったがここはそれ以上の規模である.花を掬った網を見ても驚いた.草原を100m以上スウィープした時に匹敵する虫の数だ.
b0218371_1773030.jpg
開幕でこれである.吸虫管で吸うのが追いつかないほど.

 呼吸困難になりながら虫を回収していると,あることに気付いた.ミヤマルリハナカミキリの個体数がけた違いに多いのである.関東だとカエデを一回カバーリングしたときに入る常連のカミキリは,ヒナルリハナやキバネニセハムシハナだが,ここでは90%がミヤマルリハナなのだ.ミヤマルリハナといえば,学部生時代にわざわざ大菩薩周辺まで捕りに行った思い出があるが,それがこの有様.ためしに他のカエデで思いっきり掬って数を数えてみたが・・・227exs・・・・・・・う~ん;ヒナルリだって普通こんな入んねえよ・・・まあ,好きなカミキリではあるので容赦はしないが.
 そんな感じでミヤマルリハナの中からカエデノヒゲナガコバネやコボトケヒゲナガコバネ,シラケトラなどを網の中に頭を突っ込んでソーティングしていると・・・
b0218371_16525189.jpg
クビアカモモブトホソカミキリ Kurarua rhopalophoroides HAYASHI,1951
 岡山県では臥牛山のみに分布しているそうだがMyポイントを開拓してしまった.付近の林にはソヨゴは生えていなかったが,クロガネモチなどのモチノキ科樹木は確認できたのでそういうものを食べているのだろう.
クラルアが捕れた時点で時刻は17:00を回り,カエデの集虫力も落ちてきたのでこの日は採集終了.温泉に入って山の中で車中泊.車外に一応ブラックライトを置いておいたが甲虫はSericaniaの一種のみだった.

2日目に続きます.
[PR]
by wriggle00 | 2013-05-01 18:41 | Cerambycidae