蠢蝦螽蟷昆蟲記

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備中、新緑の季節②

4月29日
 渓流脇で車中泊をして迎えた二日目.夜間は車内ソーティングと河原でミズギワゴミムシやクロツヤシデムシを採集.今日からの予定は昨日に引き続き日中はカエデを掬い夜間のうちに北上し兵庫県入り.3日目は材採集と伐採地を巡りながら大阪へ帰還する計画だ.本日は朝から気温が非常に高く,無風状態.カエデに訪花する虫の量も増えることだろう.
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林縁の空間は全てクマバチのテリトリー.至る所で♂個体がホバリングしている.

 カエデの花に移動中,何気なく倒木の皮を剥がすとチビクワガタが出てきた.関東近辺ではなかなか出会えないクワガタだがこちらでは個体数は多い.
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チビクワガタ Figulus binodulus Waterhouse,1873.

 そんなこんなで気温がMAXになるまでぶらぶらした後,カエデに向かう.昨日も虫は多かったが比べ物にならない虫の量だった.Glaphyraがカエデ周辺に乱舞しているのが容易に分かるほど.これらを軽く片付け,花掬いを開始する.
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一回のカバーリングで網に入るGlaphyraの数はこれ位.すぐに吸虫管が一杯になる.
 ミヤマルリハナは相変わらずの数.ミヤマルリハナが1000頭に対して1頭位の割合でクラルアが入る感じである.さらに,クラルアだと思ってよく見るとホタルカミキリの場合もよくある.
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クラルアがこうして他の虫と共に網に入っている光景は新鮮である.
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飛び立つ瞬間.
 午後1時を回り,ピークが過ぎたカエデだが,まだまだ飛来数は落ちていない.追加したカミキリはキンケトラ,シラケトラ,アカネトラ,チャイロヒメハナ,ミドリ位.そろそろマンネリ化してきた様子なので,ポイントを移動しようと思い,今まで触れていなかった一回り小さいカエデを掬うと・・・何やら網のそこで大きめのヒナルリが仰向けになってもがいている.随分でかいヒナルリだな・・・と思い捨てようとした瞬間,丁度そのカミキリが起き上がった.うん??前胸背板が赤い.慌ててVIPルームへ移動させる.
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まさかこいつがカエデで捕れるとは・・・
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クビアカハナカミキリGaurotes (Carilia) atripennis Matsushita, 1933.

 これは予想できなかった.アカマツの伐採枝やキク科の花に飛来してきた赤銅色の個体は採集したことがあるが青系は初めてなので嬉しい.思わぬカミキリでテンションが上がったがこれ以降目ぼしいカミキリは飛来しなかったので,兵庫方面へと出発.道中でエゾエノキ,タラノキ,カラスザンショウなどの材を採集した.

4月30日
 前日に兵庫入りしていたお蔭で,朝早くから伐採地へと赴くことができたが,夜間に雨が降っていたらしく道路がかなり濡れている.時間の経過とともに気温は高くなっていったが最後まで太陽が顔を覗かせることはなかった.山道を走っていると所々に伐採地や土場があり中にはかなりの規模の場所もあった.
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ここにはシラケトラ,ヒトオビアラゲ,アオバナガクチキなどがいた.雨のあとで昆虫自体が少ない.
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かなりの規模の伐採地.この上ない環境だが時期が少し早いのと雨の影響でカミキリは少なかった.今後が期待できるポイントではある.
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最後の伐採地.カメラの電池が少なく虫の写真があまり捕れなかった.樹種はコナラ,ホオノキ,イヌシデなど様々.気温が低く,ムツボシタマムシなども素手で簡単に捕獲できるほど.
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ツシマムツボシタマムシ Chrysobothris samurai Obenberger, 1935.

やや大型のムツボシタマムシである.斑紋が一対消失しているタイプも確認した.サムライという種小名がかっこいい.
 ムツボシ狩りをしていると,大きなアカマツ切り株が目に付いた.流石にオサムシは居ないよな.といった感じで樹皮を剥がしてみると,なんとシロマダラが越冬していた.
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シロマダラ Dinodon orientale Hilgendorf, 1880.
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爬虫類を食する小型のヘビ.なかなかお目にかかれない種であり,幻の蛇と言われる地方もある.疑死したのかビーティングネット上でも全く動かない.今年は蛇年なうえに年男なので運が良い.
 運がヘビの方へ傾いてしまったのか虫的には微妙な日だった.最後に一通り伐採地をビーティングして回ったが,ヨツボシチビヒラタが少数落ちてきたのみ.
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ヨツボシチビヒラタカミキリ Phymatodes quadrimaculatus Gressitt, 1935.

 このあと,渋滞が発生する前に大阪へ急ぐ.大した渋滞に巻き込まれることもなく無事にGW採集が終了.今回の一番の収穫は良好な伐採地,土場を数多く発見出来たこと.これからのシーズンがますます楽しみになりました.
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by wriggle00 | 2013-05-08 08:43 | Cerambycidae